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君と読む頭文字




「エッチって…なにからとった頭文字なんだろ」

空が青くて和やかな今日。ナルトはさるすべりの樹にもたれたながら、隣でスケッチを楽しむボクに言った。ボクは何を突然、とナルトを見る。

「…さあ。ハレンチの頭文字とかじゃないかな?」

「ハレンチか…なんかしっくりこないってばよ」

ボクが鉛筆を止めて答えてやると、ナルトはあごに手を添えてうなる。ボクはその様子に肩をすくめ、再び鉛筆をスケッチブックに走らせた。


「なあサイ」

「………」

「サイってば、お前もちゃんと考えろよな」

「なんでボクが」

ナルトはまた、ボクの名を呼んだ。でもナルトの視線は、先ほどからずっとさるすべりのトゲにある。

「だって、お前ってばエッチじゃん」


「…なるほど。でもさ、男なんてみんなエッチだよ」

ボクはナルトのストレートな言葉に、フッと微笑んだ。ボクの鉛筆を握る手は、もうずっとうずまきナルトという文字ばかりを書きつづけている。

「いや。お前ってば格別。だからさ、それでわかったんだ」

「…エッチって名前の由来が?」

「おお。うんとな、エッチは“ホモ”の頭文字だってばよ!」

「…………」

ナルトはどうだ、という満面の笑み。ボクはいたたまれずかけていた腰をあげナルトの前に立った。

「…あのさぁ、」

そして、ナルトの首を両腕でかこむ。これでナルトをさるすべりにはさみこんだ。

「前にも言ったけど、ボクは別にホモじゃないよ」

「でも、お前俺のこと好きつったじゃん。つうか男の俺を樹に押さえつけてる時点でホモだってばよ」

 ナルトはボクの腕をさすり笑った。惚れた弱味、というのをよく知った子だ。小悪魔みたいな態度に、なす術なくボクは開きなおる。

「違うよ。ボクは男が好きってわけじゃなくて、」

ナルトの白い首に、チュッとキスをおとす。ナルトはその行動に驚いたのか、びくりと体を跳ねさせる。そこに咲いた赤い華に満足したボクは、言葉をつづけた。

「ボクは“ナルト”と、ナルトの体が好きなんだよ。他の男相手じゃ、ボクのチンポは勃たない」

「…っ……変態」

ナルトの顔が赤く染まる。照れてるんだとひとめで解る。ボクはわざと耳元で囁いた。

「変態でもいいよ。ボクはナルトが好きだ」

「息かけんな!」

「はは。感じちゃった?」

「うるせ!俺ってば今確信した!エッチの語源は変態だ!」

照れ隠しに叫ぶ、ナルトが可愛くて仕方ない。それに、今の姿勢は美味しいし。






ナルトの視線が、いつの間にかさるすべりではなく、ボクに向いている。ますますいいね。





ボクが笑うと、スケッチブックが、風に揺れた。









end

本当に、Hって何の頭文字なんですか?





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