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トライアングル




なんで、ボクたちは
好きって想いをくれるひとに
好きって想いを

抱けないのだろう。



□ □ □




「なぁナルト。俺の何がイヤ?」

漆黒という名の色は、彼のためにあるのかもしれない。とナルトは思う。彼、とはいまナルトを口説いてきているサスケのことで、サスケは漆黒と称されるにはあまりにも漂白な笑みを浮かべていた。

「なぁ、俺の何が気に入らねえんだ。お前は」

「質問がおかしいってばよ」

「は。どういう意味だよ」

「俺のどこが好きか、って訊いてくれた方が答えが少なくていい。気に入らないとこをいちいち言ってたら日が暮れちまうってばよ」

「………………」

サスケは黙りこんだ。ナルトの顔をみてるだけで息をしているのかどうかも謎。

「ナルト」

「なに」

「…サクラは、俺のことを好きなんだぞ」

「だからなんだってばよ。そんなの今頃だろ」

「でも俺はお前が好きだ。お前が好きなサクラは俺を好きなのにだ」

「……………で?」

やっと口をひらいたかと思うと、真剣な面ざしで語るサスケ。それとは裏腹にそっけない態度でナルトは答えた。

「すげえよな」

「………」

「普通は、常識的に考えりゃ俺とお前が恋愛でつながることはないはずなのによ。すげえよ」

「すごくねえ。お前がおかしいんだ」

「……なあナルト。俺の気に入らねえとこ全部言えよ。日が暮れても構わねえから」

「構わねえわけないってばよ」

「構わねえよ。お前がずっと俺の嫌いなとこを語って夜になっちまっても、俺がお前の好きなとこ語って朝にしてやるから」

サスケは、自信満々に笑った。今度こそ漆黒の名にふさわしい暗黒の笑み。



もうすぐ、日が暮れる。








end



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