[携帯モード] [URL送信]

「ねぇ、ネジってば恋人居る？」


何を突然…
無邪気に尋ねてくるこいつを見てそう思った。

「居ないの？」


どうしてそんな事を訊くのだろう。こいつは俺の気持ちには気付かないのだろうか。

「……あぁ、居ないよ」

「そっか、」


質問に答えてやると、そっけない返事。
ホントになんなんだ、

「ナルト…」

「何」

「…お前は、」

「へ？」

「恋人…居ないのか？」


俺も何をムキになっているのだろう。彼奴の気持ちなんて


知ッテイルクセニナ…


「恋人…居るよ」

「……」

「うっそ。恋人なんて居ない」

「……」

「もう、居ないってばよ…」


あぁ、俺はなんて意地悪なのだろう。でも、最初に意地悪したのはお前だぞ。


「ナルト、」

「………？」







「好きだ」







初恋……だったんだ。






ゆっくり、
ゆっくり、



彼奴の目を見る。




俺の瞳がとらえているのは、凄く驚いてる少年の姿。

「ネジ…俺のこと好きなの？」

「…あぁ」












どのくらいの沈黙だっただろう。












「ありがとう」










沈黙は、ナルトの言葉に幕を閉じる。だが、またすぐ無言になるナルト。俺が今の言葉の意味を解釈しかねていると、ナルトはおし黙ったまま俺を抱きしめてくれた。














初恋だったんだ。








ｅｎｄ


戻る