無邪気少年
お前が好きだよ。
俺はたまらなく、お前が好きなんだ。でもお前は、俺には少し、不安なんだ。
□ □ □
「なあ、イタチ…」
「何だ?」
「イタチってば、サスケに優しくしてやってよ」
星も、月も、全部が綺麗なある日の晩。ナルトは家に来ていたイタチに言った。イタチは、土産に持ってきたようかんを皿に出しながら、ナルトに視線だけを向けた。
「……何故?」
「何故って…兄ちゃんが弟に優しくすんのは当たり前のことだってばよ」
「勘違いだよ、ナルトくん」
「へ?」
イタチはふっ、と微笑した。ナルトを見て笑っているのだ。
「俺は、小さい頃はだいぶサスケに優しくしてたんだよ」
「マジで?」
「ああ。そして今、俺がサスケに優しくしないのは、サスケ自身がもうそれを望んでないからだ」
「え、サスケが…?」
「…今はもう、俺より優しくされたい人がいるんだよ。あいつには」
イタチは、ナルトの金髪を優しく撫でる。ナルトはサスケの“優しくされたい人”を真剣に考えていた。
(誰だ…?イタチより優しくされたい人…カカシ先生??いや…サクラちゃん?)