--風--
風が吹いて、木が揺れた。そういえば、あの子の性質は風だった。
「風…」
今、吹いた風はもしかして、ナルトの化身だろうか。修行で逢えない僕に、風になって逢いにきたのかな?
「……そんなわけ、ないか」
あの子は、いつだってやるべきことに必死だから。サスケ君を取り戻すために必死な今、僕なんて2の次さ。
コンコン
突然、ドアがノックされた。
「……?」
誰が来たのかわからない。僕を訪れる人物なんて決まってる。
暗部の人か、
サクラか、
それか…………
「ナル…ト」
ドアを開けて、呟いた。そこには、寒そうに腕を組んだナルトがいた。
「よぉ、サイ」
「……君、修行は?」
「頑張ってるぜ!今も影分身で逢いに来たんだ!」
「……何でまた…」