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--風--



風が吹いて、木が揺れた。そういえば、あの子の性質は風だった。

「風…」

今、吹いた風はもしかして、ナルトの化身だろうか。修行で逢えない僕に、風になって逢いにきたのかな?

「……そんなわけ、ないか」

あの子は、いつだってやるべきことに必死だから。サスケ君を取り戻すために必死な今、僕なんて2の次さ。

コンコン

突然、ドアがノックされた。

「……?」

誰が来たのかわからない。僕を訪れる人物なんて決まってる。

暗部の人か、
サクラか、
それか…………

「ナル…ト」

ドアを開けて、呟いた。そこには、寒そうに腕を組んだナルトがいた。

「よぉ、サイ」

「……君、修行は?」

「頑張ってるぜ!今も影分身で逢いに来たんだ!」

「……何でまた…」



わざわざ、そうまでして。君は何でここに?

疑問が、心の中だけで呟かれる。ナルトはその疑問を感じとったようで、ニッコリ笑った。

「だって、サイに逢いたかったんだ」

「!」

無邪気な小悪魔だとは思ってたけど、まさかここまでだとは。僕も笑う。

「ねぇ、ナルト…」

「ん?」

「逢えて嬉しいよ。でも…」

ギュッと、ナルトの体を抱き寄せた。そのまま手で背中を抱く。

「次は、本体でおいで」

「へ、何で…」

ナルトは鈍ちんだな。
本当に疎いよ。

僕は背中を抱いていた手を下におろし、ナルトの尻を撫でて握った。ナルトの口から色っぽい声が盛れる。

「あっ…」

その様子に満足した僕は、耳元で囁いた。

「分身じゃセックスできないでしょ」

「!!!」


ボンッとナルトが消えた。恐らく術を解いたのだろう。







ナルトが消えて、
また独りになった僕は、フッと微笑んだ。








きっとあの子は、
僕に逢いにくる。


…貞操の方も覚悟の上でね。








end






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