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--鳥--



鳥は、どうして空を飛ぼうなどと思ったのだろうか。


鳥を見ると、いつも思う。


ナルトは何故、絶えず笑っているのだろう。


ナルトに逢うたび、それを考える。






□ □ □





「なぁ、ネジ。お前ってば鳥好きなの?」

「……え、」

ナルトの声がすると思ったら、ナルトが俺の膝に座っていた。どうやらボォッとしてたらしい。いつの間に何だ、この美味しい姿勢は。

「……何で膝に?」

「ネジがボケッとして俺に気付かないから、悪戯しようと思って」

…そうか。
気付かなければナルトは膝の上に乗ってくるのか。覚えておこう。

「それより、ネジってば俺のこと無視してずっと鳥見てたぞ!ひでぇっ」

「そんなつもりは…」

なかったのだが、
また無意識に鳥に目をやっていたのか。

「何だ、鳥にヤキモチか。ナルト」

「そんなんじゃないってばよ!!ただ…」


ナルトがギュッと俺の首に腕をまわす。ナルトの顔が俺の首に埋まり、体勢はますます美味しくなった。

「ただ、鳥がムカついた」

ナルトは俺の首に呟く。ナルトの息を感じて俺は体の力が抜けた。ゴロリと横になり、ナルトを股がらせる。
何だか、イヤらしい体勢になったな。これは。


「それを、ヤキモチって言うんだよ」

「……ネジのバァカ。そんな風に寝ちゃったら、また空の鳥見ちゃうじゃん」

ナルトはすねた様に呟く。そして、

「!?」

ナルトの唇が、俺の唇と重なった。視界がナルトで埋まる。


なるほど。



「んっ…」

ナルトは頬を真っ赤にして、唇を離した。俺はその艶やかさに、笑った。

「確かに、今のなら空も鳥も見えないな」






□ □ □





お前が、無意識に俺は鳥を見てたって言うならきっと、鳥は俺に…


無意識にナルトを見てたぞ、と言うのだろうな。







end







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