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「坊やだとか魔女だとか。そう云った言葉だけで私達は互いのテリトリーを守っているのだな」
「――何だ、唐突に」
「知謀に長けるものは総じて臆病だと言っているんだ。なあ?」
誘う様な言葉と蠱惑に満ちた声。けれども笑みは限りなく冷えて、眼差しは己の愉悦のみに撓んでいる。これは既に女では無いと識っているのに、彼女は確かに少女だ。
「臆病なのはお前もだろう、C.C.」
「其れは自惚れか?ルルーシュ」
「…不毛過ぎる会話を楽しめるのは時間の制限がある場合だけだと思うが」
「だったらお前が腹を割ってみろ」
「……魔女め」
「何とでも」
抱えたぬいぐるみに寄る皺のひとつひとつですらも計算のような気がして視線を塞ぐ。せめて閉ざされたのが彼女の黄金色ならば、その声くらいは許してやるものを。結局領域を守ろうとしているのは俺だけで、彼女は其れを揺さぶって愉しんでいるだけ。理解っているからこそ余計に惹かれてしまうのだ、なんて。





090115


「…死んでも口に出すものか」
「やっぱりお前は飽きないよ、坊や」



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