運命を口にする程子供じゃないけれど、運命を信じ切れない程大人にもなれなくて。
「つまり、思春期なのヨ」
「少なくともニオイを嗅ぎたがる時点でお前のそれは思春期じゃねー、発情期だ」
白衣を強請っただけなのにこの言い種ったらどーヨ。
「乙女に向かって何て事言うネ。人のフェティズムに文句をつける奴は頭爆発するアルヨ、爆発頭でも愛してやるケドな」
「御心配には及びマセン、先生の頭爆発しねーから。これから奇跡の進化を遂げてサラッサラストレートになるから。乙女でもお米でも良いからさっさと帰れ、カラスに誘拐されっぞ」
放課後の資料室で麗しのジョシコーセーが告白してやってんのに顔色一つ変えやしない、この天パ。
「…今時のセンコーならインコー位してみせろヨ、馬鹿」
「ちょっとォォ!誰か此の子に国語辞典貸してあげてェェ!!日本語教えてあげてェェ!!」
窓から差し込む夕陽だけは、いい雰囲気なんだけどナ。
「せんせ?」
「…あ?」
赤く染まる銀色は、キレーなんだけどナ。
「すきヨ」
「そりゃ、ドーモ。わかったから早く帰んなさい」
「…銀ちゃんのうんこたれ」
「おま、思春期の乙女がウンコっつった?」
拒絶もしてくれない駄目教師。これだからつい期待して仕舞うのヨ、この恋心の先を。
いっそ運命だと信じさせて。
071016
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