血の一滴ですらも重ならぬ私達の関係は余りに頼りなくて、至極名前を付け難い。現実を言葉に出来ないのはきっと、自信が無いからなんだろう。 何を以て家族とするのか、 なんて、結局答えなんか関係無いくせに子供はいつも正当な理由を欲しがるんだ。ワガママを、認めて欲しいから。 飯事よりも稚拙な家族ごっこ。どうやったって本物にはなれないのだけど、お早うが聞きたいの。お休みって言いたいの。ただいまって言われたいし、行ってらっしゃいって送り出したいの。 ―――別れの其の時までは、此の家で。 共に過ごす時間の何と愛しい。例えば手を伸ばしているのが私だけだったとしても、掴んだモノを離さなければ済む事でしょう? 握り締めた細い糸は赤い色じゃない。限り無く透明で酷くもどかしく、不確かに揺らぐけれど決して切れぬ、ああきっときっと多分私が望むのは。 君に捧ぐ疵の名を 糸の先、どうか貴方達の意志で握っていて欲しいだなんて、私の心は何処までも愚かだ。 070823 *ブラウザバックでお戻り下さい* |