おお、貴方の恋の叶わぬことの、なんと喜ばしいこと!
私の罠に少しも気付く素振り無く、そればかりか満面で笑いながら謝辞を紡ぐ貴方の姿を見たって、少しの罪悪も感じない。今日の礼にと渡された酢昆布を帰り道に一人で囓ったって、全然平気。だって私はこの男の馬鹿なとこが大好き、たまらないのだもの。こんな稚拙な髪飾りを欲しがるのなんて、今時は私くらいヨ。アネゴはもっと高級思考。私が好きなのはガリガリ君で、アネゴが好きなのはハーゲンダッツ。なんで気がつかないの、男ってほんとうに馬鹿。精々派手にフラれてくればいい。私の気持ちにさえ思い至らぬままに。
「これがいいネ、このウサギのやつ。女の子は皆ウサギが好きヨ。絶対アネゴ喜ぶアル!」
ああ、私の恋の叶わぬことの、なんと愛しいこと!
070808
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