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噎せ返る程の苦味は己の内側から。真逆、俺から此んな腐った台詞が出て来ようとは。内心驚愕しつつも、目下の深蒼に映る自分の表情は普段に相違無い。骨と血管の醜悪に浮き出た腕柱は袖内に隠し、細首に掛けた掌に僅かばかりの力を込めて彼女の唇から零れる言葉を待つ。
恋に焦がれるは己ばかり。どうしたって目の前の桃色は俺の掌から擦り抜けて行く。視線さえも逸らさぬ、真っ直ぐな愛心。何て傲慢な君、此れだから求めてしまうんだ。連れて逝きたいなんて、願ってしまった程。共に生きたいなんて、願ってしまう程。
末期に尚、愚昧染みた欲を与える彼女は、或いは残酷だったのかも知れない。今更涙なんか零れやしなかったけど、奥内から込み上げた汚い赤色が彼女の白肌を染めた。
御前と心中なんざ御免だと言い退ける彼女は、やっぱり容赦が無くてどこまでも愛しかった。



どうか息災で。俺の命を背負って、そうしていつか来る明日も、どうかどうか君の侭笑っていて。



070707



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