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視覚で自覚。
私も夜兎だから、血のニオイには敏感なんだ。どんなに洗って拭って痕跡を消しても、わかるんだヨ。その力には血の音、その空気には血の味、時折触れる言葉の端に、涙のように滲む血の感触が在って。私の全感覚が指し示すのは、この男は間違い無く血を浴びたヒトだという事。けれども、それでも。

何て鮮やかな銀の色。雪のように静かに、月のように厳かに、私の目の中に収まった白銀は血の朱よりも強く強く、脳へと走る。無条件な愛しさは私の体をも支配して、全身で識りたくて、ニオイもオトもアジもネツもヒカリも、全ての感覚を彼に向けて、そうして。そうして。
私は彼に 溺れたく なる。
培ったモノと、濡れた朱。零してきた大切な何かと、それでも失くさなかった大切な何か。瞳に心地の好い、銀色の。それは恰も彼の魂のように、鮮やかな鈍光を放って今も私の目の前に。


ああ、私、この人が好きなんだ。




070622


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