聴覚に明確。
びっくりした。びっくりして、びっくりした。ふわりと落とされた、今の音はなあに？たったの三文字。ただの三文字。聞き慣れた、当たり前に耳に届くその言葉。それなのに、それなのにそれなのに。ああ、まだこんなに跳ねている。可哀相な私の心臓。思わず逃げ出したのも無理の無い事。もう大丈夫だから落ち着いて、ていうか落ち着こう。でも耳にまだ残ってるのヨ。落ち着いてなんかいられない。どうしようどうしよう、どうしよう。たったの三文字、あの声が紡ぐ私の名前。私、ほんとうに壊れてしまったのかも。
こんなに締め付けられるのに、もう一度聞きたいと思うなんて。
070622
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