俺が好きだとか言えば、心底嬉しそうにしてくれる。なんて言うか、女ってちょろいもんだとしか思わない、俺は最低な男かもしれない。否、最低だろうな。
とっかえひっかえって訳じゃない。１ヶ月前の女は髪が綺麗だと思った。その次の女は顔もよかったし性格も悪くなかったが、どこか完璧な女は物足りない気がした。その次の女は、前の女のことがあったから、顔とかは別に可愛くもなかったけど俺のテニスを熱心に応援してくれるところが、なんだか虚しくて、いいと思った。昨日別れた女は…どこに惹かれたかも分からない普通の奴だった。否、やっぱりとっかえひっかえって言うんだろうか。端からみたらそうにしか見えないだろうなとは、俺も実はわかってたりする。仁王、には女癖が悪いという評判というか、噂は絶えない。だけど、女は仁王、の周りからも絶えない。可笑しな話、だと思う。ブン太は俺と同じで女癖が悪いけど、みんなに優しくして、いつだって明るい。だから、なんかわかる、納得がいく。使ってるけど、うまく見せないんだ、そういうところを。赤也も、そうだ。人懐っこいし、可愛らしさがある、愛らしさがある。じゃあ、俺はどうなんだろう。こうやって作ってばかりいて、周りは気にしてないようで、本当は凄く周りの目が気になって仕方ない。みんなは知
らないだろうけど。
ただ１人を除いておこうか。
自分にだって好きな、否、気になる程度の奴くらいできるわけで、だけどいつもの自分じゃ、どうにもこうにもできないのはわかりきった事実だ。今日、また可愛い女を見つけた。次はあいつにしようと思った。スラリと縦に伸びた折れそうに細い脚が魅力的な女だ。髪も長いし眉目秀麗、秀才、俺の好みだ、今度は飽きないでくれよと自分に言い聞かせよう。
「柳生、もうやめんか」
「弱音はよしてください」
「…俺はこんな為にお前になってるんじゃなか、」
「わかっています、でももう遅い」
キミは君で僕はボク
（そういえば、昨日別れた女は仁王じゃなく柳生が好きだと言った）
2008/02/02 (C)mika.
仁王は柳生で、柳生は仁王の話
（わかりにくすぎましたね）
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