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いつからだったかなんてもう忘れてさまうくらい、私はずっと幸村が好き、幸村のことが好きだと、思う。ただどう好きか、よくわからない。ただただ好きなのだ。幸村をどう思うのかともし聞かれたならば、大切だとか、ずっと傍にいたいだとか、そんなきれいなコトバよりもただ好きというコトバがしっくりとくるように思えるのだ。いつの間にかというコトバもぴったりだと思う。いつの間にか好きで、いつの間にか幸村の横にいるのはいつも私だった。気がついたら傍にいたのは私だった。いつの間にかテニス部のみんなとも仲良くなってて、全てが全ていつの間にかで、可笑しいくらいだった。いつからだったかなんて本当にわからない。
自分のことをどう思うかを幸村からもし聞かれたとしても、私は決まって好きだよと伝えるだろう。決まっていることなのだ。自分の、私の中で、幸村のことが好きだ、と。みんなとの違いは、何なのかわからない。うまく説明できない。真田君はしっかりしていて頼りにもなるしいろんなことに気をかけていると思う勿論私にも、幸村にも。そんなところが好きだと思う。柳君も、冷たそうに見えるけどみんなのことをよく見ているあったかい人だと思う。 思いやりとか、すごいある人だと思う。そんな柳君が好きだと思う。柳生君も私は好きだ。紳士だとか言われているようで、それはわかる。雰囲気だとか身のこなしは紳士だ。だけどそんな柳生君がたまに見せる疲れた姿が私は好きだ。仁王君もそんなところがあると思う。もしかしたら柳生君に負けないくらい紳士なのかもしれないけど。ジャッカル君は人がいい。良すぎるくらい。ただそれを見せないところがジャッカル君は素敵だと思う、強いんだ。そんなジャッカル君が好きだとも思う。丸井君も切原君も人懐っこくていつも私を気にかけてくれてる。いいコンビだと思う。みんなみんな好きだ。
そうだ、よく考えたら、私はどうして私はどうして幸村の傍にいるのだろう。仲良しなのかな。でもよくわからない。何をいつも一緒になって話してきたのか、何に対して笑ったりしたのか、もう思い出せないような感覚。いつもみんなが集まって色んな話をしにくる風景を一緒になったつもりで見つめてる。深刻そうな顔つきになったり、落ち込んだり、笑い合ったり、しんみりしたり、見ているだけで自分も仲間に入っていける気がしてた。 いつの間にか傍にいた幸村という人は、全てにおいて結果的にはつかの間の存在だった。



いつの間にか幸村という人はいなくなってしまった。傍に、もういないのだ。帰って行ってしまった。何が悪かったわけじゃない。良くなってしまった、だから行ってしまったのだ。

いつだったか、もう忘れてしまったけど、幸村が私に言ってくれた気がする。いつだったか、わからないけど、ずっとずっと昔、幸村の声を聴いた気がする。私がお母さんのお腹の中に眠っていた、もっともっと昔、幸村の声を聴いた。昔すぎと忘れてしまいそうになるくらいの記憶。何か言ってた。行ってしまう前にベッドの上で言ってくれた。


声が聴きたい
(愛してるよ、という幸村の声が)
(だけど私は耳が聞こえない)



2008/02/14 (C)mika. 






 


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