(※卒業後設定!) (あなたにとろけていくようです。) 彼につられてよく飲むようになったお砂糖なしのあついコーヒーにくちをつけて、コンポの再生ボタンに手を伸ばす。彼にすすめられた曲のイントロが流れ出して、わたしはふう、と腰をおろした。 日曜日、午前10時50分。 休みの日のこの時間帯がいちばん好き。妙な静けさのある、ゆったりとした独特な空気が流れているから。 (ああ、しあわせ〜) ほっかりとちいさくしあわせをかみしめながら、その空気に溶け込むようにまぶたを閉じる。 半分だけ開けた窓からはやわらかくくすむ陽のあたたかさ、そしてちょっとつめたい風がカーテンを揺らす。 「♪・♪・♪」 (‥あ) しぜんと出たハミングは、彼が機嫌のいいときによく出る鼻歌のワンフレーズ。いつしかそれがうつってしまったことに気がついて、気恥ずかしいような、ちょっとうれしいような、くすぐったさにそわりとした。 (ふふ、) (ふへへ、) 日曜日、午前11時3分。 休みの日のいちばん好きなひととき、好きなひとのいろんなものがわたしのまわりをやわらかにつつむ。 (ああ〜ほんと、しあわせえ) その数分後、しあわせはおどりだす。 (あ、もしもし?) - - - - - - - - - - あずちよだと言い張ります^ω^ 2008/11/10 2008/11/16 |