♪3組のお昼休み。
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昼休み。それぞれのグループがそれぞれの賑わいを見せる教室のなかで、おれと西広のささやかな戦いは始まる。
「‥いちご牛乳」
「‥ブルガリア」
なかみのほとんどがいつも手作りなお弁当箱を持って、おれの前の席に腰をおろす西広と、ぱちりと目が合う。するとお互いに握りこぶしをグッとひとつ。今日の戦利品になる予定のものを挙げたら、いよいよその戦いは火蓋をきるのだ。
「せえーのっ!」
「「最初はグッ、じゃんけんぽん!」」
おれ、チョキ。
西広、グー。
「やったー3連勝っ」
「っだあー、負けたーあ」
「んじゃあよろしく、沖」
ガクリと机に突っ伏すおれとは対照的に、にこにこと笑顔をみせる西広センセイ。チャリンと110円をおれの目の前に置いて、手を振ってみせる余裕の顔が今ではちょっとうらめしい。
そう、戦いというのはほんとうにささやかなもので、じゃんけんに負けたほうが購買までふたりぶんのジュースを買ってくるというもの。なんとはなしに始めたこのゲーム(って言っていいのかな)がおれと西広の間ではちいさなブームとなっている。
「〜〜行ってきます」
「うん、行ってらっしゃい」
「‥西広のおしることか買ってきてやる」
「ちょ、沖!やめてよ!」
「はは!冗談だってー」
軽いやり取りを交わして、席をたつ。(早くしないと昼休みが終わってしまう。)
じゃー行ってくんね、そう言って西広の110円と自分の財布を手に取ると、カタン、と、西広の椅子が鳴った。
「西広?」
「3連敗ってのもかわいそうだし、ついてってあげよーかなって」
「うわ、上目線!」
「実際勝者だしね?」
「ああ、そっか」
「ふ、っ」
「なんだよー」
「別に?‥行こっか」
「え、あ、うん」
こんなふうに、ゲームをしてもたいがいはお互いになんらかの理由をつけて、結局はふたりで購買まで行くことが多い。ゲームとしては成り立ってない気もするけど、そこはたいした問題じゃないと思うからいいとする。
こうして、おれと西広のささやかな戦いは静かに幕を閉じていくのだ。
end...
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さわやか3組^^
なかよし3組^^
各組のお昼休みとか楽しそうですね\^o^/
2008/07/05
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