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やさしく
あまく。




栄口くんはやさしいひとだ。まわりのあらゆるものに対して、そしておれに対しても、とてもやさしいひと。それをおれは知ってる。
例を挙げるとしたら、毎日おはようって笑って言ってくれる。歩くのが遅いおれに合わせて歩いてくれて(おれもがんばって速く動いてるつもりなんだけど)、いろんな話をしてくれて、聴いてくれる。(急かしたり呆れたり怒ったりしないで、待ってくれるんだ)そして、話してるときは、ぜったいに目を合わせてくれる。野球してるときはよくナイピって声をかけてくれて、ナイセカンって言うと、笑ってくれる。
こんな風に、おれにはもったいないくらいのうれしいことを、当たり前だとおおきく笑って、たくさんたくさんくれる、やさしいひと。
栄口くんのくれるひとつひとつの言葉が、表情が、感触が、おれにはとてもとても気持ちがよくて、ふわふわと浮いてるみたいな、まるで夢のなかにいるみたいな感じになる。頭がぼんやりとして、痺れてるみたいな。

(‥‥あまいんだ、)
(まるで、お菓子みたいな、)
(‥栄口くんは、)
(こんぺいとうみたいな、あまいひと。)

べったりとまとわりつく甘さじゃなくて、さらさらしてて、すっと入って染み込んでくる、そんな甘さ。
ひとつひとつ、いつも、おれの手のなかにわけてくれるその甘さにおれはすっかり夢中で、いつしかこの甘さを知らなかったころを忘れてしまいそう。(もう実際忘れているのかも知れないけど)

(‥忘れちゃ、だめだ。)
(だめだ、けど‥、)
(栄口くん、)
(‥おれは、)

どうにもこうにも、気持ちの整理がうまくいかない。忘れちゃいけないのに、どこかで忘れてもいいと思ってたり、もったいないと思ってるのに、どこかで期待していたり。いったいこれは、どういうことなんだろう。
おれは栄口くんに何ひとつとして返せてなんかなくて、それでも栄口くんは同じように笑ってくれるから、だから、おれは、きっと、それによりかかってるんだ。と思う。

(‥ヤなやつ、だ。)
(おれは、もらってばっかりで、)
(‥栄口くん、)
(おれは、何を返せるんだろう。)

「‥さかえぐちくん、おれは、」
「いーよ、」
「え、」
「返すとか返さないとか、そんなのどうでもいーよ。」
「‥どうでもいんだよ、」
「‥‥、」
「な」

ふうわりと笑う。ああ、やっぱりきみは、やさしく、あまいひと。

(‥くらくらする、)


そのあまさからは、もう、ぬけだせない。



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100hit//楽羅あささんリクエスト//skmh

たいへん長らくお待たせいたしました!一年以上も‥ほんとうにすみません!
ほのぼのskmh(餌付けと笑顔でみはしを落とすskmh)とのことでしたが‥ほのぼ の ‥ ?(‥)なんだかほのぼのとはしてない気が‥あれ‥。(‥)
えっと、今回餌付けという部分をちょっとひねらせて(そうでもないですけど)いただきました。食べ物じゃなくて、ゆうとのやさしさというものに‥はい(^^)(寒いですね)(‥)みはしはもうゆうとのやさしさにめろめろです。少しずつ、でも確実にゆうとはやりました。(‥)(無意識に)
あとはこのこたち、くっつくだけです(^^)b(‥)

では!リクエストありがとうございました!!


(お持ち帰りが可能なのは楽羅あささんのみです!)


2007/06/03 山田花(1,000,000hp)


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