床に散らばるのはさっき空にしたばかりのアルミ缶。どれもアルコールの入った所謂お酒と云う物で俺とあの人の二人だけで飲んだにしては異様に数が多い。其れなのに目の前の人は未だに飲み続けていて誰がどう見ても其れは確実に酔っ払ってる。大体二人共未成年だと云うのに何故酒なのか。いくらアルコールの濃度が低いチューハイだからと云って此れはまずいと思う。加えて大して酒に免疫も無い子供がこんなに飲んだら直ぐ酔うのは当たり前。事実先輩は完全に出来上がってる状態だ。
正直あまり飲まないようにしていた俺もそろそろ限界なのか少し身体が怠く成ってきた。
「んだよぉごーももっとのめってぇこれうまいぜー?」
「先輩こそもう止めたらどうなんすか?呂律も上手く回ってないし。」
「へーきらってへーき!」
何処からどうやって見ても平気とは云い難い。バレないように小さく溜め息をした時何の違和感も無くいきなり先輩が覆い被さってきた。予想通り鼻につく酒の臭さが何かちょっとアレだ。
「ちょ、何すか!重いし酒臭いしどいてくださいよ!」
「やーだ。ゴーてやっぱ肌しろいよなー。なんでなんで?」
「知りませ…んぁっ!」
な、何だ今の!いきなり触られたとは云えあんな恥ずかしい声出すなんて変だって…!
驚いて俺の目を見る赤い瞳を直視出来無くてうつ伏せに成る。でも一度考えてしまったらどうしても意識してしまって、上に被さる先輩の息遣いとか体温とか視線までもが強く感じられて煩く鳴り響く心臓が凄く苦しい。触れられた部分はどんどん熱を持ってきて早くどいてくれと願いながら恐らく真っ赤だと思う顔を酒のせいで弱く成った精一杯の力を入れて隠す。
だけどそんな俺の願いは叶わなかった。
「なに、ゴー。かんじちゃった?」
「ゃ…!」
吐息が掛かる程近く話されて淡い息に嬲られた頬が熱い。完全に其の気に成ってしまった先輩の目は酔っていた時よりも鋭くてまるで獲物を狙う獣の様に逃れられない気がした。
「ん、んふ…ぁ…ん、んんっ!」
振り向いた瞬間に唇を奪われて何時まで経っても慣れないゾクリとしたキスに力が抜ける。酒のせいで既に力の抜けた身体には抵抗の意なんて無くてただ享受するしか無くて、其のキスに夢中に成っていた隙に先輩の手は易々と服の中へと侵入を果たしてて。
触れているのか触れていないのか解らない境目の様な部分で弄ぶ指は作り上げられたカラダに全て快感として流れる。止めようとしても出来無いひっきりなしに上がる声が恥ずかしくてならなかった。
「ちょっまじで洒落になんな…!」
「ん?」
「ひあんっ!」
必死に我慢しながら抗議をしたら涼しい顔をして蕾の襞を広げられた。人の話なんか聞かない人だとは常日頃から思っていたがこの状況でそれは最大の敵になる。どうやっても俺の力なんかじゃ勝てない。
「嫌だ嫌だ云う割りに結構濡らしてるんだ?」
「ちがっ…んふっぁっ、!?んああああっ!」
「みーつけた。」
俺よりも俺の身体を知り尽くしてそれでもって鼓膜から脳まで犯す。俺は易々と許すことしか出来ない。抵抗すると云うものは元々この人の頭の中で意味をなしていないんじゃないかと本気で思った。
「やっんん、だめっせんぱ…も…むりってば…っんはあ!」
「じゃあどうして欲しい?俺の指じゃ中々届かないっぽいし。」
(…うそつき…、)
前立腺を爪で引っ掻いたり際どい所で一気に抜いたり湿った息遣いと一緒に聞こえてくる淫猥な水音が何もかも奪い去る。どうか、なってしまいそうだ。
「れて、」
「もう一回。」
「いれて…くださっ…!」
「、よく云えました。」
「ふぁっ!?」
何本挿れられてたのかもわからない位の重量感を伴ってずるりと抜かれた先輩の指。名残惜しそうな自分のナカが、憎らしくてたまらない。
「力、抜いて。」
「ひっ、」
「大丈夫だから、ね?」
「あああ…ああああ…!」
一瞬にして視界が弾けた。目を閉じても開いても見えないくらいの、衝撃。
本来外部から入られるべきで無い秘部が収縮する。それは、嫌悪感からじゃない喜びに酷似していて生理的なのかなんなのかわからない涙が溢れる。
「まだ慣れない?」
「なれるわけ…なっ!?」
云い終わらない内に凄い勢いで腰を掴まれた。遠慮も何も無しに最奥を突いて一気に挿入口まで引き抜いてまた突くを繰り返す。その律動だけで何と簡単な事なんだろう。いとも容易く何度も何度も果たしてしまった。
本当に、人の話を聞かない。
抉られる快感と共に少し詰まった息が聞こえた。先輩の下が耳を舐める。クチャリと付いた唾液やら息やらで俺の心臓は跳ねる。
「ごめん、我慢できそうにないんだ。」
「へっ?」
本当に余裕の無さそうな声にいっそう心臓は跳ねた。この人は俺をこんなに好きにさせて一体どうしたいんだろう。これ以上なんて無い筈なのに。
「ああっあっあっ、や…あああっんあっあああああっ!」
「…っ、!」
カラン。転がった空き缶に、指先が当たる。
結局あれから更に騎乗位座位と合計三回もしてしまった。腰は悲鳴を上げていてじんじんと痛む。流されてしまったことにも腹は立つけれどその分気持ち良いと思っていた自分に吐き気がしそうだ。
「俺って乙女チック…。」
「ん、何乙女チックって。」
「っ!?」
手をついて身体を起こした俺の斜め下からよく聞き慣れた声。
青ざめて視線を移せば得意顔で微笑む先輩がいた。
「…ところで先輩。」
「んー?」
「酔い。完全に冷めてましたよね?」
「あバレてた?」
「バレてたじゃないっすよ!俺あんなに嫌がってたのわかってたくせに…!」
「え、そうなの?何だてっきりゴーが喜んでるのかと思って…。」
「ど、ん、な、で、す、か!」
「あー…なんならもう一回、」
「やりません!!」
この人にだけは相変わらず、敵わない。
END
2010.01.28 夜忌
赤金初の裏!
ずいぶんと長い間放置されてたよなあ…((遠い目
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