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記念企画小説


 





男グリーン16歳。

かつてのライバルだった想い人に運命的な初めての出逢いをしてから早六年。






















未だに好きと、云えてません。

























元来、臆病とか度胸が無いとかそう云う類いの物ではないと思う。
臆病なんて感じていたら殺されそうな所で修行を積み一人前のトレーナーに成る為に日頃の努力を怠らず遂にジムリーダーにまで就任も出来た。


だから、少なくとも気持ちの面で悪い所は何一つ無い。断言出来る。


一つの可能性として俺自身が根っからのヘタレと云うのが在るが、あのポケモンの権威であるオーキド博士の孫が六年間も告白出来無い程ヘタレだなんて許される筈もないので此れも却下だ。断じて無い。





…実際に、何度か気付かせようとアプローチを仕掛けてきたがタイミングと持ち前の鈍感さで俺の努力の結晶はことごとく回避されてきた。

もう其所までいくと女神の悪戯としか云い様が無いだろう。




家は隣同士。
仲はまあまあ、普通の友よりかは仲の良い云う成れば親友。
会えば言葉は掛ける。手も振る。
手持ちだって一度は全て交換した仲だ。



其れなのに何故こうも巧くいかない…!
















ふと、壁に掛かっているカレンダーに目をやる。
其れの少し下辺りに赤く大きな丸を幾重にも書いたかなり目立つ欄の日にちを確認するとまさに恋人達の日。クリスマスイブが横綱の様な存在感を放っていた。


そう。クリスマスイブだ。
其の恋人達の日と云う後押しを借りて今度こそ俺は伝える。否。




気付かせてやるんだ!


そうと成っては居ても立ってもいられない。
俺は防寒用のコートを乱暴に羽織って走りながらリザードンを出し全くスピードを落とさず其の背中に飛び乗った。


こんな俺を見ればあいつだって嫌でも俺に惚れるのだがな。いいリザードン、嫌そうな反応をするな。




目指すはショッピングの町タマムシだ。
あそこで俺は買う。買ってやる。














エンゲージリングと云う名の婚約指輪をな!




 


あきゅろす。
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