絶対的存在。
其れは、無くては成らない物。
俺と云う個体が意思を持つべき物である証でたった一つの大切な存在意義。
マスター。貴方は覚えているでしょうか。
俺が…KAITOが、貴方の元へ来た日を。
未だ右も左も全然解ってない俺を大切にしてくれて。
一日中悩みながら何度か挫折してやっと初めての歌を歌わせてくれたりもして。
其の音が所々欠けてて不器用な歌だった事も今と成っては凄く遠い過去の様に思う。
マスター。お元気ですか。
俺は多分元気です。
マスターは最近忙しくて、一言二言話し掛けてくれるだけで終わってしまうけれど。俺はマスターの傍に居れるだけで、良いんです。
「ごめんカイト、今日も残業だから…其の歌は…、」
「大丈夫ですよマスター。早くしないと遅れちゃいますよ。」
「ほんとごめん!何時に成るか解んないけど休みが取れたら絶対歌わせてやるから!」
「はい。」
慌ただしく家を出ていく貴方に取り残された様な身勝手な思いを抱く事はタブーだとは解っているつもり。だけど。
寂しさを堪える、なんて。
プログラムには無いんです。
「マスター、行ってらっしゃい。」
次に云うお帰りなさいが。
苦しい位に待ち遠しい。
END
Move:2009.2.28 夜忌
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