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『………ふらう?』




今、目の前に居るラブラドールは、誰が見ても一目で分かる程酔っている。



そうさせたのは他でもない、自分なのだが。



さすがにここまで簡単に酔うとは思っていなかったし、当の本人は至って正常なつもりなのだろう。


それが、少しの罪悪感となったが、やはりそれよりも勝るモノがあるー…





ラブ★カクテル〜一夜の幻想〜





『…なぁラブ。』

『ん…?なぁに、フラウ』

やはりその瞳の焦点はあっていない。


『………俺じゃ、嫌か?』


単刀直入に訊ねる。



『ううん!嫌じゃ、ないっ…』



恐らく、この無邪気な酔っぱらいは“ナニが”嫌なのか分かっていないまま返事をしているのだろう。



だけど、止められない。


目の前に、こんな姿の想い人が居たら。



『フラウー』


自分の名前を呼びながら、控えめに服の裾を引っ張ってくる。

その瞳はとろんと潤み、更に体制上、上目遣いで見つめられる。



(誘ってんのかコイツは…)



はぁ、と大きなため息を吐く。


『…お前が悪いんだからな、ラブ。』

『んー?』



そう独り言の様に低く囁いて、そのままラブラドールの目をじっと見つめると、いつの間にかお互いが触れ合いそうな距離まで詰め寄っていた。


そしてそのまま、ごく自然な流れで口付ける。


『ん…っ』


一瞬ぴくりとラブラドールの体が反応したが、気持ちよさそうに目を閉じるだけで、抵抗はしない。


普段だったら抵抗されてるに決まってるが…


そう考えると、また少し良心が痛んだ。


だが今はそんな事を気にしている場合ではない。


『俺は、お前が欲しいー…』

『…うん?』


やはり、言葉の意味は解っていないような返事が返ってきた。
だがもう、それすらどうでもいい。



『今夜だけだー…今だけで良い……。俺の恋人に、なってくれ。』



切実な願い。
本当は、一晩だけでなんて良いはずがない。

欲を言えば、本当はずっと、自分のモノにしてしまいたい。
自分だけのラブラドールに。


だけど、それは無理な願いだと理解出来るぐらいの神経は持ち合わせている。


ならば、せめて、一夜限りの恋人でも良いから。

目覚めた時、傷つかない様にするから。


今日が終わったら、綺麗さっぱり忘れさせるから。


『うん。僕はフラウの恋人だよ。』


『ー…っ』




罪悪感にまみれながら、それでも俺は、それ以上にお前を欲しいと願ってしまうー…




『っ…んっ…ふら、うっ…?!』

『まだだ……まだ、覚めるなー…』

『ふ、ぁっ……はぁ…』

熱い吐息が絡み合う。
互いを求めれば、そこからまた熱が生じ、更に求める気持ちを高ぶらせる。


もっと、もっと酔ってしまえば良い。

酒に、快楽に。
二度と覚めないぐらい、深く。




『俺が酒なんかよりも、もっとずっと気持ちよくしてやるよ、ラブー…』

『んぁっ…!フラウッッ……な、にっ…??』



酒よりも甘く、深く、ふわふわと。
気持ち良い世界に、連れて行ってやる。



『あっ…?!やぁっ…!!!』






『なぁ、気持ち良いだろ…??』

『っ……、きもち、いっ……んっ…』



一度走り出したら最後。
繋がってしまうのは簡単だった。
不思議とだんだん罪悪感も消え、俺も快楽だけを求める獣となり果てる。

『良いんだろ…??はっ…お前、そんな顔しやがって……淫乱だなァ…?』

『ちがっ……!』

『誰にそんな体にされた…?』

『んっ……ふぅっ…、やだ、違うっ…!!!』


『なら素直に言える様にしてやろうか?』



そう言って、ラブラドールの中の良い所を突いてやると、嬌声を上げて縋ってきた。


『ーーッッ…!!ぁ、あぁあっ……フラウ、フラウッッ…!!!!』

『何だ、…やっぱり気持ち良いんだろ?それともやめるか?』

『んくっ…、やめなっ……でぇ…ッッ』


声にならない、甘く掠れた声で、ただ俺に縋るラブラドール。


俺が見たかったのはこれだ。
他の誰でもない、俺だけに縋るお前。



『ひっ…、く。フラウ、もっと…!』


『…分かったよ。』



ただただ俺は、目の前の快楽と、自分の欲望に溺れた。


汚い欲望にまみれながら、悦楽に浸り、更にその欲望は目の前で咲く可憐な華を汚す。


その光景ですら、とても美しく、神聖なモノにすら見えてきて。

あぁ、いよいよ俺はトチ狂ったのか、と思った。


明日になれば、ちゃんと忘れさせてやるから。
こんなお前も、俺も。


だから今だけは、俺の下でもっと鳴け。



『ーっ…』

『っあ、あぁぁああッッ…!!』












『……ごめんな、ラブ。』





お前をめちゃくちゃにして、悪かった。


好きだからしたんだ。

お前が、俺のモノにならないと解ってるから。

いっそ壊したくなった。
だけど、やっぱり俺はお前の事が大切だからな。

一晩だけの秘め事を、永遠に俺の胸の中だけに留めて。




『……ん、』

『…お前はまだ眠ってろ…』



額の髪をそっとかきあげ、最後に触れるだけの優しいキスをする。

昨晩の情事を清めるかの様に。


『やっぱお前には、そーゆう姿のがお似合いだな。』



なぁ、俺は間違ってるか?

正しいとは思えない。


ただ、間違ってるとも思えないんだー…



お前なら何て言うだろうな。


考えたところでキリがない。

全て忘れよう。
全て酒に溺れた一夜の戯れ。


淫らな、幻想。



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ラブ★カクテル、フラウサイドです。

と言ってもツッコミどころ満載ですが、細かいとこは気にしないで頂けたら嬉しいです(*´ω`*)←

完全に雰囲気だけで書いてしまいました(´Д`;)

獣フラウと淫乱ラブたんが書きたかっ(´Д`(O=殴


スイマセン。
読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m


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