『カストル、好き。』
こんな言葉が当たり前に言える様になってから、どれぐらいの時間が経ったのだろう。
それでも、どれだけの時間が経とうとも、思いは変わらない。
『好きだから。僕の隣に居るのは、カストルしか居ないから。』
【幸せを守る手】
以前の僕なら、こんな言葉なんか言えなかった。
大切な人たちを、また失うぐらいなら。
それで自分の心が傷ついて、楽しかった思い出ばかりが蘇り、闇より深い悲しみを味わうぐらいなら。
また一人になるぐらいなら。
もう二度と、大切な人なんて要らない。
ずっと一人で居る。
そう思ったのに。
『愛しています、ラブラドール。』
ー…何故、君はこんなにも僕を大切にしてくれるの?
『っく………ぅ、』
ぽんぽんと、僕の背中をさすってくれる優しい手。
泣いても良いんだと、君が抱き寄せて、包んでくれるから。
僕は君に甘えてしまう。
失いたくない程、大切な君。
『僕が、カストルを守るっ…!!』
そう、力ない拳を厚い胸板に叩きつければ、カストルは一瞬驚いた様な顔をした。
まるで、『それは私の役目でしょう』とでも言いたげに。
しかし、すぐに全てを悟った様に優しく微笑んで、ただ無言で頷いてくれた。
僕の言いたい事を分かってくれて、いつだって包み込む様な、暖かい優しさをくれる。
だから、そんなカストルだからこそ、僕は信じられたんだと思う。
そして、二度と大切な人を失わないで済むようにー…
カストルを守るって決めた。
『ありがとうございます。けれど、私だって貴方と同じ様に貴方を守りたいと思っているんですよ?』
『……うん。ありがとう。』
言えなかった言葉が、なんの躊躇もなく言えるのは、君だから。
君が隣に居て、僕を安心させてくれるから。
いつだって。
『……カストル、僕の事守ってね?』
『もちろんです。私は貴方を守る為にここに居るんです。今までも、そしてこれからもー…ね?』
繋いだ手に力が込められる。
カストル、どうかこの手を離さないで。
ずっと、ずっと強く握っていて。
この手で、大切なモノを、幸せを、一緒に守りたい。
もう二度と失わない様に、絶対に離さないから。
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初心にかえって、幸せ夫婦なカスラブ書いたらあまあまになりました…笑
きっとラブたんも、カストルさんだって、失う怖さを知ってるから、信じるのは簡単じゃなかったと思います。
それでも今あんなに信頼しあってる二人は、素敵だなって思います(*´∀`*)
夫婦万歳っ(*´ω`*)
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