*いたずらに、ささやかに
歩幅が少し違うことに、今更気がついた。鷹山の方が狭いから、俺の1歩が鷹山は1.5歩にならないといけないんだ。
「なぁ 鷹山?」
「どうしたの、ニヤついて」
「え?!ウソ、いや違」
あぁ、こういうとことか。
「うん、で?」
顔を途中まで上げて、鷹山は俺を見る。
生意気そうに、それでいてキレのある顔立ちが俺のどこかをくすぐって止まない。
「あーの…手を繋いでは」
「だめ」
…くすぐ、る…?
「なしてー!」
「場所を考えてよ」
こんなに好きなのになんて言えない。言っちゃいけない。
「じゃぁ、どーしたらいいべや」
「―どうって…」
ごめんよ 鷹山。
俺苦しいや。
「…じゃあ 叫んでいい?」
「や、まさか」
「よーざん 愛し――ッで!」
バックが目の前にきて、もろに顔面へ直撃する。
咄嗟に取られた鷹山の判断だった。俺は我に返る。
「…ヒョウ!」
眉間にシワを寄せて、鷹山は困った顔を見せた。若干赤くなってる。
「ご、ごめん、ごめん。悪気はなくて」
そんな俺も恥ずかしさが一足遅れてやってくる。
直撃したバックがゆっくりと、2人の足元に落ちた。
「焦んなくていいから」
(ねぇ)
「形にしなくたっていいから」
(ねぇ鷹山)
「全然、分かってるってば」
(苦しいよ)
ごめんね。
俺は鷹山みたいに大人じゃないから、こうして形にしないと不安になる。
「嫌いなんて、言ってやんないから」
こうして、素直に好きって言わないこういうところとかが不安の原因なのにさ。
俺を勝手にもてあそぶんで、全てを愛おしくさせるんだ。
end
*―――――――――
分かりにくいですね。
頭足りず、辞書片手作業です。
素直になれない鷹山。
好きすぎてる豹くん。
不器用な2人だと思います。
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