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〜花流ディ企画〜 


『視線は青空 若干流川』







高校生にもなると、
彼女や彼氏のことを考え始める。
寧ろ高校生にもなれば、
相手を作ることが 当たり前になる。

高校に入り、進級につれて いい加減そのことを思い知っている1人に
桜木花道がいた。


かつて「犬猿の仲」と呼ばれたライバルでもあった流川に、彼女が出来た。


散々馬鹿にし合いながらも良き親友として付き合ってきた花道がそれを知ったのは、つい2日前。
なんの前触れもなかった、流川の変化だった。




仰いだ空にため息一つ。

なんの変わりもなかった生活。
ぽっかり空いたのは、なんだ。

「おぃ花道!」
後ろからする声に振り向くと、宮城が仁王立ちで花道を見下ろしていた。

「おーリョーチン」
「おーじゃねぇよ!休憩終わりだ。中入れ」
「…あー、リョーチン、さ」


次の言葉が出る前に、
体育館にいる奴と、目が合う。


「なんだよ花道。……おい花道!」
宮城の問い掛けにハッとなった花道は、咄嗟(とっさ)に我を返す。

「え…あぁ、腹減ったな」
一瞬ポカンとなった宮城だったが、
「みんな同じだバーカ!」
と返事してやった。
少しの不自然さを覚えながら。



"あの鋭い目付きを向けたのは
紛れも無く俺だった"

桜木の目線は、体育館に入ってそれから 何かを恐れるように流川に向けられることはなかった。





その日は天気がよかった。風も心地よく吹くものだからまた眠気を誘う。
ベタベタと張り付くカップルや、いつまでもしゃがみ込んでいた生徒達はぽつぽつと消え、やがて空っぽになった、

屋上。


お昼休みの終了を知らせる本鈴が校舎中に鳴り響く。
そんな雑音も右から左に聞き流すと、その男は携帯を開いた。



"次なに"


"生物"


"さぼれキツネ"


"どこ"


"屋上"



1番後ろの席じゃ好き放題にやれるってもんだな、と独り言を零しながら腕を伸ばした先に置いてやった携帯電話。

返信が無いまま 10分。
重いドアが開かれて、大きな身体が屋上のタイルを踏み込んだ。



既に待ちきれなくなっていた花道は腕で顔を覆いながら寝転がっていて、流川も慣れたようにチラッとそれを覗き込んでやる。

見間違えるはずも無い嫌というほど覚えた大きい男。
2メートル程離れた位置に身を置き、流川も同じように寝転がった。





→Aに続きます。





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