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「ハイッ!ハイッ!」

「…?」

「ハイタッチ!ハイタッチ!」

「………」

ぱしっ――…。


あの出会いが偶然であったなら、僕は神を信じるかもしれない

"スゴイ!カッコイイ!!ナイスプレー!!!"

そう素直で正直に、君は笑った




  『君と笑顔と』






鳴り響くボールの音と、擦れたシューズの高音とが不揃いにも調和している。
息が上がっても尚、走り続けるその姿は、間違いなく九頭龍高校バスケ部。

「だッ!今のはスクリーンじゃッ」
「俺、10点目ー♪」
「ふははっ まだまだ甘いわ!」

3対3のオールコート。
ナベのスクリーンのかけ忘れで一気に得点。
トビが指揮をとるナベ、空チーム。対するはヤス、千秋、そして茂吉。
終了の笛と共に、「っした!」と勢いよく声が上げられ、渋々片付けに向かうトビチームだった。





季節はもう秋。
寒くなるにはまだ早いが、夏のような暑さはだいぶなくなった。

「夜は少し冷えるな」
「まだまだ暑いだろう」
「素っ裸で言うな アホ!」

いつもの如く、体のすべてを取り去って着替える千秋の横で、百春がギャーギャーと騒いだ。



やがて部員も次々と部室から出ていき、キレイに茂吉と空だけを残して静まり返った。

「…みんな早いね、帰るの」

空は笑いながら、かばんを整理している。
「うん」と返事をする茂吉も、その静かさには少し笑む。なにしろ、いつもうるさすぎる位騒がしいのだから。


「空、今日どうするの?」
「…金曜日だね」
「うん」
「じゃぁ、一緒に帰ろう」
「…うん」


次の日休みは、お泊りディ。唯一一緒にいられるとき。
準備も終わり、2人で部室を出た。

そして差し出された大きな手をそっと握れば、長い身体が折られてきて、軽いキス。
そのとき空は目をつむり、茂吉を受け入れるのだ。頬に触れ、鼻に一つ、最後に小さな頭に軽いキス。
少し擽ったくて空が目を開けると、茂吉の微笑む顔がある。


「お腹すいたな」
「何食べたいの?空は」
「…うーん。モキチくん家でなら何でもいいや」
「…ありがとう」


やがて、絡み合う指と指。


「モキチくんは?」
「…僕は、空を、いただきたい」
「………ッ!?」



それは、何気ない日常の中で。


「ま…、またそーゆーことをーっ!」
「ごめんごめん。大丈夫だよ」



ほころぶ笑顔。
小さな手。



ほら。
君が愛しい。





end.





最後まで読んでいただきありがとうございます。

管理人、ほのぼの大好きなので、毎回こんなのばかりだと思います…(爆
すみません。

これから、甘いのからレベルが上がるような予感がしますが、暇潰し程度に読んでくだされば幸いです(笑い

ありがとうございました。



ブラザバックでお戻り下さい。



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