夏のうるさい街中。 久しぶりに見かけた彼は、少し、知らない人みたいだった。 ブルースカイ クライドール 昼休みの教室は、夏休み目前だからか浮かれ気味に騒がしい。 高校に入って初めての夏休みに浮かれられないくらい、なんとなくおれの気分は落ちてる。 「彼女がほ、しい…かも」 「どうした?」 「んー…、昨日ミツルとマキちゃん見て」 「なに、あの二人まだ付き合ってんの?」 『マキちゃん』というのは中学からのミツルの彼女だ。 そして目の前に座っている宮原は、なぜかそのマキちゃんが好きじゃないっぽくて、今隣の席におもしろそうな顔をして移動してきたカッちゃんは、マキちゃんのことが大好きだ。 「お前、ほんっとマキちゃん嫌いだな! あんっな可愛いのに!」 「別に嫌いじゃないよ。小村は女だったらなんでもいいんだろ?」 二人共、小学校からの付き合いだ。カッちゃんは見事?な女好きに成長して(モテないけど)、宮原は内面の大人っぽさに外見が追い付いて同い年に見えない。 中学の頃はこの3人にミツルがいて、よく4人でつるんでいた。 それが今の3人で落ち着いたのは、マキちゃんという彼女がミツルにできてから。 彼女ができれば付き合いが悪くなるのも当然で、進路も別になり高校に入学してからは一度も4人で会うことはなかった。 → [グループ][ナビ] [HPリング] [管理] |