歪んだ愛
「今日はいつもと違うピアスじゃん？」
「うん！アイツにお揃いのピアス貰ったから付けてみた」
達矢は顔を赤く染めて言った。
そう、アイツを想いながら
「まだ上手くいってんだ？」
達矢とアイツが付き合い始めて1ヶ月が経っていた。
アイツとは、隆一の事。
俺ら3人は昔からの幼なじみ。
小学校から高校まで同じでいつもつるんでいる。
周りからは不良っぽいって言われてるが、それはただ外見だけで判断されてるだけだ。
隆一は女子にモテる。
顔もよくてスポーツも出来て。
達矢が言うには俺もモテるらしい。
女子の間で隆一と並ぶ位の人気だと言ってた。
が、俺には興味が無い。
女なんていらない。
達矢さえいれば何もいらない。
なのに、隆一は俺の達矢を奪い取った。
2人仲良く俺に話しがあると言って来た時は、何の事か直ぐに察しれた。
何故かって？
そりゃあ、昔から達矢をずっと見て来たんだ。
隆一の事が好きだった達矢を。
だけど、女にしか興味無かった隆一が何で俺の達矢と付き合い始めたんだ？
俺の達矢にっ――――!!
ずっと、ずっと側で近くで見ていたのは、この俺だ！
達矢に相応しいのは俺以外ありえない。
なのに、隆一は――…
「司…？何か怖い顔してるけど…」
「あ？ワリィ…。ちょっと考え事してた」
すると達矢は心配そうに顔を覗きこむ。
あぁ。
達矢が俺を心配してくれてる。
あれ？
「…達矢、煙草も変えた？」
達矢の口から煙草の匂いがした。
「あ、分かった？」
分かるよ、そんなの。
だって隆一と同じ銘柄の匂いしてんだからよ。
昔から俺と同じ煙草吸ってたクセに隆一と付き合ってから煙草も変えたのか？
このままじゃ、達矢が洗脳されていく…。
どうにかしなければ。
「よぅ。2人で何話してんだ？」
「おはよー隆一」
嬉しそうに笑いかける達矢
そんなにも、コイツが好きなのか？
「あぁ、おはよー。」
2人は互いに顔を見合せながら笑う。
ムカツク――…
ウザイ隆一。
隆一さえ居なければ達矢は一生俺のモノだ。
そうだ。
達矢を俺のモノにすればいいんだ。
誰にも触れさせない、見られない場所に監禁しよう。
「あ、そうだ！今日用事があるから先に2人で帰っててよ」
「…分かった」
隆一の言葉に悲しくなる達矢。
可哀想に。
でも、帰りに隆一がいないなんて、これはチャンスかもしれない。
今日から俺だけの達矢にしよう。
だから達矢。
今日だけ、今だけ許してあげる。
隆一と会うのが最後だから
あぁ。
愉快すぎて笑いが出そうだ
後、７時間経てば下校時間
そして、達矢が俺だけのモノになる。
俺しか見ないようになる。
俺の声しか入らなくなる。
とても幸せだ。
だが、どうする？
隆一が達矢を探し出したら？
その時は…――――
答えは一つしか無い。
END
なぁ、司。
何で俺が達矢と付き合ってるか分かるか？
お前のその嫉妬で醜い歪んだ顔が見れるからだよ。
そして、お前は俺を憎むだろう。
達矢に近付くほど、その気持ちは膨らんでいく。
お前は気付いていないかもしれないが、お前の頭の中は俺でいっぱいなんだよ！
俺が居なければって思ってんだろ？
そう思うたびにお前の頭の中は俺で支配される。
達矢なんて、ただのダチに過ぎない。
司が好きだから付き合ってやってるだけ。
達矢より俺を見ろ。
俺を憎め。
俺だけを考えろ。
司の色んな表情が見たいんだ。
もし、司の前で達矢をフッたらどうなるんだろうか。
きっと達矢は泣き出すだろう。
ショックを受けるだろう。
そんな達矢を見て司はどんな表情を見せてくれるかな？
そして、達矢の前で司が好きだと言ったらどうなるかな？
大好きな達矢がどんどん悲しくなるよな？
その時のお前の顔が見たいよ。
より一層、俺が憎たらしく感じるだろう。
でも、いいよ。
それで司が俺しか考えられなくなるなら。
だけど、達矢が居なくなったらどうなるかな？
司は必死に探す？
見つけだす？
見てみたいなぁ〜。
だって愉しそうだし。
好きな子をイジメるってこんな感じなのかな？
だけど、イジメじゃないよね。
愛してるんだから――…
【後書き】
達矢可哀想ですね(^^;
隆一→司→達矢→隆一
な感じですね。
隆一は本当は司が好きで、司は達矢が好きで、達矢は隆一が好き。
三角関係になるんですかね？(;´д｀)
ヤンデレ小説が前から書きたくて書いてしまいました！
ヤンデレになってるかは不明ですが…。
ここまで読んで頂いてありがとうございました!!
2011 6.4
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