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世界:

 ワイラーン大陸(以降、大陸)を中心として南東に郡島諸国、西と北西、北東に小大陸が存在する。交易以外の他大陸との国交はほとんどなく、それぞれが独立した意志と文化を持つ。
 この世界の人間は法力・魔力のどちらかを生まれながらに持つ。しかし、具現化出来る者は限られ、仮に出来たとしても威力の差が見られる。その中でも法力の強い者が神官の立場に据えられることが多い。
 法力は神聖なものという認識もあって尊ばれるが、魔力はその稀少性と攻撃力の高さから忌まれる事も多い。しかし、国家や資産家に見込まれて魔法師として登用される例も見受けられ、民衆との思考にギャップが見られる。
 両者に共通するのは先天的に力を持たない者を差別する事。



/国その2

エルダンテ
リファム
グラミリオン
ルマー




エルダンテ
人口:2000万人前後
国王:ベイラハム三世

 大陸東部に位置する。年中温暖な気候で、時折起こる嵐を覗けば一番住みやすい国であろう。その半分が海に面し、他大陸との交易、南側の内海による漁業も盛んな為に港街が発展するも、その街に名前が無いことは有名。港街、という通称で国民には通じる。内陸部では温暖な気候を利用した農業も行われているが、海から吹き上げる潮風によって大した生産量は見込めず、農作物に関しては交易やリファムに一部頼る形を取る。
 その反面、予言書を信じる等宗教的な側面もあり、王城に保管される予言書はシンボル的存在。その影響か、騎士や国軍入隊試験は18歳からという年齢制限があるにも関わらず、神官採用のみ実力重視で諸外国より抜きん出た力を持つ。
 現国王に実質的な権力はなく、執権がエルダンテを動かしているのが現状である。愚王と名高い現国王を擁護する者がいないことから、その影響力は皆無と言ってもいいだろう。
 過去にリファムとの間で戦争が起きるも、終結の後には穏やかな関係が続く。しかし一方で、双方とも出方を窺うなどの事も水面下では行われており、諸手を挙げて歓迎する間柄ではない。グラミリオンとの国交は殆んど無く、稀に海産物と鉱物がやりとりされる程度。この辺りに過去の大戦による影響が窺える。
 リファムと唯一渡り合える軍事力を持つが、今のところ平和な中堅国家。



リファム
人口:7500万人前後
国王:イーク=アウリッシオ=ゲレンドラ

 大陸北西部から、東にかけて広がる大国。
 一度は荒廃した国だが、数年前に即位したイークによって持ち直し、現在の様な大国となる。それは矢のような勢いで、他国には「見せ掛けの」と嘲られがちだが、国民のしっかり根付いた生活を見ればそうでないことがわかる。
 国力は大陸内で随一を誇り、上下水道から街並みまで一番整備された国。先の大戦でグラミリオンより得た石造りの技術により、その完璧なまでの石造りの街並みは他を圧倒する。
 横に長い地理から北西部と東部では気候も違い、よって多様な産業が発展した。東部では潮風の影響を受けない内陸部で農業が盛んに行われ、北西部では剣などの鉄精製業が盛ん。国の半分以上が海に面するも崖が多く、エルダンテのような漁業は発展しなかった。農業が盛んな為に生活物資の殆んどを自国で賄うことが出来、故に他国へ頼ることもないので強国であることが出来る。
 現国王が元将軍であるという出場から軍力も高く、小国をいくつか支配。鉄精製に必要な鉱石を大陸南部のグラミリオンから得ている為に、鉱物資源においてグラミリオンを押さえ込むことが出来た。
 懐柔出来る国には優しく、歯向かう国には極めて冷酷。先の戦争によってリファムに敗北したグラミリオンが鉱石の産出地としての属国化を受けるなど、敵だったもの、あるいは敵に対しては容赦ない。このような史実から強国として恐れられている。
 エルダンテの予言書に興味を示し、現国王は「羽持ち」と呼ばれる天界人種と関わりを持つ。



グラミリオン
人口:2000万人前後
国王:バグミルト=テオド=イル=ラー

 大陸南部に位置する。一年を通して夏のような気候で、作物もうまく育たない。その為に鉱物資源を細工や鍛冶などにあてて、それによる交易で国家が成り立っていた。細工や鍛冶の腕がそのまま生活に繋がるので、大陸内でも有数の職人数を誇り、その業に並ぶ国はない。
 特殊な気候と宗教国家である事由が生活環境を他国とは画一させ、先の大戦の際に弾圧されかけた自国の宗教を守るべく、宗教的拠点をわかりにくくした要塞のような街並みが特徴である。この為に細い路地が多く、使われなくなったものは裏路地と称される。先述のように鉱物資源を扱う職人が多いことから石造りの技術は随一で、髪の毛一本通さない建築がグラミリオンの建物の真骨頂だ。稀に自然の洞窟などを利用した建築物も見受けられるが数は少ない。
 父神信仰が大部分を占める大陸において独自の宗教を掲げ、それを唯一神とする余りに他国からは敬遠されている。父神信仰に比べて戒律が厳しく、それが国民性に反映しているのか、気性の荒い者とそうでない者の差が激しい。
 数年前にリファムへ侵攻を開始するも、圧倒的な軍力の差と元々貧窮していた国力の更なる衰退、隣国のエルダンテによる援助をも受けられなかったことで大敗。その際に先王は自害、現国王はリファムが立てた国王と言っても過言ではない。
 この戦争でグラミリオンの国力は地に落ち、どうにか国として存続出来るだけの力を蓄えたものの、事実上リファムの属国化を受けたグラミリオンは鉱物資源の半数をリファムへ譲渡、そして石造りの技術を進呈する形を取らされた。
 だが、過去の恨みを忘れる者はおらず、今なお反抗の機会を窺っている。
 大陸内で唯一の宗教国家。



ルマー
人口:100〜350万人前後とも。詳しい総人口は不明
国王:(王をたてない国家)

 大陸の西端に位置する。季節ごとに吹く風の変化によって気候が変動するも、基本的には穏やかな気候を保つ。年間降水量が大陸内で群を抜いており、湖沼や渓流などの類が極めて多い。木々や動植物の生態系が驚くほど多様で、非常にゆったりとした気質の国家である。
 少数民族がグラミリオンやリファムなどの追従から逃れる為に結束し、一つの国家として独立した経緯があるも、元々が少数民族の寄せ集めの為にそれぞれの合意の上で王をたてることはしなかった。だが、国の代表として対話を迫られる際には民族間で話し合い、その時々で決まる代表が向かう。国王がいないから王城もなく、他国にあるような街などの概念もない。民族単位で集落を構え、それが街並みを呈している。国軍はなく、必要に応じて民族間で兵士を出し合って軍隊を構成する。
 特にこれといった産業や市場はない。だが、その中でも工芸品はグラミリオンに劣らず、高値で取引される。「他国からの干渉を受けず、また他国に干渉しない」をモットーにする国の数少ない国交であると言えよう。
 民族個々の信仰があるものの、根本的には「大地」である母神信仰に繋がる。「天」の父神を信仰するリファムや唯一神を信仰するグラミリオンからの追従の由縁はここにあるも、リファムに至ってはその限りではなく、もう一つの理由が存在する。現在は国家として独立したために必要以上の干渉をすることは許されず、リファムは融和政策として少数民族の保護を掲げた。
 「他国からの干渉を受けず、また他国に干渉しない」のモットーから先の大戦の折も三つ巴に混じることなく、降りかかる火の粉を払うのみで静観を決めた。その為にグラミリオンからの怨嗟の声は今尚強い。積極的な国交を求めない為に多くのことが謎とされる国家である。
 現存する二人の賢者が住むと言われるが、その所在は不明。


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