[携帯モード] [URL送信]


コウパー(コウキとパール?





さわさわ


風が気持ちいい
もしもこの風に色があるとするならそれはきっと浅黄色
さわやかな初夏の風

ポケモンの生態を記録したノートを鞄につめるコウキ
今日は目当てのラッキーもわりと簡単に見つけられたし本当にいい日だった


「ふう」
自転車にまたがる
次の目的地にむけ、ペダルをこぎだそうとする

動かない

「…?」
(スタンドは既に上げたはずなのに…)
疑問に思ったコウキは後ろを振り向く

見えたのは、こがねいろ




博士の助手はただ旅をするだけではなく、稀に研究所から何かを運ぶ自転車便のような事をしなければならないこともある
だからコウキの自転車にはナナカマドお手製の荷台が付けてあった


その荷台を掴む二本の腕
左手には蜜柑色のポケッチが付けてある

垂れ下がっているのは新緑色のマフラー

さきっぽがくるんと巻いて、向日葵の花弁のような色をした髪

ポケッチと同じ色の瞳が水底の硝子のようにきらきら光る




「…パール。なにしてんの」
呆れた声を出すコウキ

「たんさく!!」
反対に弾んだ声のパール
コウキを見つけて走ってきたのだろう
少しだけ前髪が額にはりき頬には軽く赤みが差していた


「どこ、いくの!?」
キラキラララ!!
季節は真逆だけれど聖なる夜の電飾さながら物凄い輝きを放つパールの瞳


「このまま215ばんどうろを抜けてトバリだけど…」
「乗せてけ!!」
「ヤダ」
間髪入れずに否定の返事を繰り出すコウキ目が据わってる
不満そうにむくれるパール
「いーだろー」
「ヤダ」
「えーケチー」
「ケチでも何でもどうぞ、だいたい君を乗せていって僕に何のメリットがあるっていうの?」
一気にまくしたてるコウキ。
それに答えられずうーとかあーとか唸りながら視線がちょろちょろ泳ぐパール

その視線が空へとむいたとき
「あっ!」
何かを思いついたらしく前へとのりだすパール
人差し指をたててコレ名案!とばかりに口を開く
「傘さす!」
215ばんどうろっていっつも雨降ってんじゃん!
ほらほら!と折り畳み傘を鞄から取り出して振るパール


瞳はダイヤモンドの輝き



コウキからはため息
「僕って、パールには甘いからなぁ…」


リュックくらいは背負ってよ





鞄からお気に入りの二人乗り専用ゴンベクッションを取り出すパール
軽快なリズムで鼻歌なんか歌ってものすごくゴキゲン

とすん
クッションに座りコウキの肩に手をおく


さて、いきますか
しゅっぱーつの掛け声とともに走りだした自転車


雨はまだ降らない、雲一つない青空の下を駆け抜ける
最初に口を開いたのはコウキ
「ところでさぁ…まだ持ってたの?それ」
初めて見たのは何時だったか?きっとコウキが自転車に乗れるようになってすぐ
「あったりまえだろ!これがあったらいつでもおまえの後ろ乗れるじゃん」
サラっと言った問題発言も明るい笑顔とブイサインで霞んで消えた



走るよりは遅いけど早歩きよりは早い二人だけの速度が心地よい
陽光は少し強すぎるけれど、代わりに気持ちのいい風がかいた汗を乾かしてくれる
「どう?快適?」
「うん」
やっぱりコウキの後ろがいちばんだなぁ
幸せそうに目を細めて答えるパール
ぱらぱらと少し長めの前髪がはためく





(え?
あれ?もしかして…)
「僕って、アッシー?」
ぼそり
こっそりつぶやいた疑問でブイサインでごまかされた傷口悲しさが吹き出した

「へ?ナッシー!?」
聞き違えたらしいパール
キョロキョロと視線をめぐらせナッシーを探す

(こんなときまでポケモンのことですか)
呆れ混じりの突っ込みをするコウキ
「ううん、ナッシーなんて居ないから」
「ちぇー」

「ところでさあ、この間ヒカリちゃんにあったんだけどね」
とりあえず話題を変えておく
「げ」
肩に置かれたパールの手が強ばる
面白いものを見つけたと言うようにコウキの口角が上がる

「ヒカリちゃんに勝てないんだったら僕に挑戦なんて夢のまた夢だよね」
「うがー!なんだってんだよーッ!!」
ぶんぶぶんぶとまるで雷太鼓のように腕を振り回すパール
苦笑いで冗談だよ、と宥めるコウキ


ずっとこんな感じで


結局トバリについたら
二人ともずぶぬれになってた










特等席ですな!
パールが自転車持ってないのは改造してもらってるんですよ!
7速に!!(あはは!
テッセンさん辺りならやってくれそうだ。


にしたって落ちな(略











































あきゅろす。
[グループ][ナビ]
[HPリング]
[管理]

無料HPエムペ!