瀬田川の辺に立っていた一本の老柳との出会いと別れ… 04年の秋、びわ湖までサイクリング(往復約100km)した帰りに立ち寄った唐橋の岸で、枝が途中から折れるなどした、傷だらけの柳と出会いました。 威風堂々…目前に立って顔を合わせると、その迫力はすごかった。傷付きながらも、これが長年生き抜いてきた強さなのか…と思いました。 手前にはもう何年そのままなのかという古びた屋形船があり、これと合わせて描く事にしました。(奥には本来、新幹線が走る高架橋がありますが、ここでは外しました) 無事完成したのが上の画。なだらかな表面の木を使い、細部まで明瞭に描き上げました。 05年春、再びその現場に行きました。しかし…あるはずの木が……しばし時間が止まる…。 横にある建物の拡張工事によって切り倒されていたのです。 絵のなかにのみ残る在りし日の姿…あの柳は自分の運命を悟って画家を呼んだのか… 主のいない光景に、そう思わずにはいられなかった…。 Top Page [グループ][ナビ] |