2001年1月中旬、日本は大寒波に見舞われました。それは私が記憶するなかで最も厳しいものでした。 当時のメモには15日朝に、隣町の土山町で、−10.4℃を記録したと記されています…。 そんな寒さのなか、私は野外アトリエのひとつ、朝月池を訪れたわけですが…そこには普段見慣れた眺めからは想像もつかない光景が広がっていました。 水面はガチガチに凍り付き、稲妻のような模様がいくすじも走っていました。 息を飲む場面に圧倒されつつも、直ぐさま描く事を決意し、準備に取り掛かりました。 程なくして描き始めた…まではよかったんですが、あまりの寒さと正面から吹き付ける風に翻弄され、数分と同じ姿勢を保っていられなくなりました。しかし、千載一遇のチャンスを逃すまいと必死に格闘。結局、3時間余り耐え忍び、この貴重な体験をキャンバスに留める事が出来ました。 あれから6年の時が流れましたが、その間、あのような場面には遭遇していません。温暖化が進めば本当に二度とないのかも知れません…。 厳しい体験でしたが、正面から大自然に立ち向ったこの姿勢は、今も一番の誇りです。 [グループ][ナビ] |