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ちょっぴり性描写っぽい


















季節柄、気候について言うなら寒いだろう。
しんしんと霜が積もり、床を伝い畳を伝い、体に這い上がる冷気。


ゆっくりと頬に手をやれば、びくん、と身を震わせて目を閉じた。その時には少し躊躇いかけたが、結局事を進める。
意識して身体に触れ、愛撫を施そうとするのはたった今が初めてで、はやる気持ちを押しやれない自分の余裕のなさに呆れ、笑いが出た。

確か、記憶が正しければこの胸が焼け焦げるように痛み始めたのは、晩夏あたりだったように思う。

心が壊され、ぽっかりと闇にのまれるその様にすっかりと一緒に沈んでしまった。
なんという愚かさだろう。
しかしその恋の甘美さやどれだけ酔ったことか!


(先人はよく言ったもので)
恋は盲目。

するためには視力なんて要らない。(馬鹿馬鹿しいことだと)
むしろ視力がない方が直接伝わる。(それはまやかし)
敏感になり、心がため息をつくほどの刺激。(なのに確かに感じる刺激)


「やっ……ぁ、」

下に手をやると彼の殺していた声が急に漏れ、動きを止めた。
チラと表情に目をやると溶ろけたような目線と染まる頬。
少し安心する。

自分と同じように感じているだろうか。

またおそるおそる手を動かそうとする。

「やっ……!だめ……」

とたん制止される。

「関口……、」
どうすればいいか分からなくて再び顔を上げる。
嫌われては、この行為の意味がない。

じんじんと熱を持つ今の頭ではまともなことが思い付けない。
だからまた彼を見た。今度はまっすぐと。


荒い息


火照る顔


濡れる目尻


(嗚呼、そうか)


確(しか)と思う。



(はじめて、

はじめてなのか。)






恥ずかしくてどうしようもない様子の彼の涙をそっと舐めた。

「ちゅ、中禅寺……ぃっ」

そうすれば縋るように腕を伸ばされる。

僕を求めて。


恋とか、愛とか、身体に触れたいとか、泣きそうに切ない夜。


総てのはじめてを僕のものにする。
つまらなくなるぐらい使い古された感情。
(これから先だって)


だから熱い。
とけそうだ。

不安と期待に揺れて懇願する瞳に熱は増す。


「っ!、……たつみ、……」

ギュッと目を瞑る(嗚呼本当に見えない)




その吐息さえ溢したくないよ

















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