暗い部屋で掌を、身体を重ねて。気付いたら年が明けていたと言ったら何人の人間が失笑するだろうか。
第三者が俺と同じ事をしていたというのなら俺は失笑組みに入っているだろう。
まぁ現実は笑われる側なのだが…。
時刻は午前0時9分。
身体にこもった熱を吐き出すように荒い息を吐く。ベッドに沈む身体は重く上手く動かせない。
一息つくように古泉もベッドに腰を下ろしサイドに置いておいたミネラルウォーターを口に含んで俺に与えてくれる。丁度喉も乾いていたから有難いのだが何故いちいち口移しなのか。そうツッコミかけて止めた。正月早々疲れたくはないのでな。
「あけましておめでとうございます。」
そう律儀に挨拶をしてくる古泉は去年と変わらない笑顔を見せている。
「ああ、おめでとさん。」
かすれた声でそう返せば古泉の奴は少し頑張りすぎてしまいました。なんてムカツク事を言ってくる。分かっているなら手加減くらいしろというのだ。
「お前、初詣どうすんだよ…」
「そうですね。サボっちゃいましょうか?」
律儀なお前がよく言うよ。そんな事本気で思ってもないくせに。結局今年もお前はハルヒを第1に考えて生活していくんだろ?
古泉にとってそれが義務のようなものだと分かってはいるがどこかで納得が出来ない俺がいた。
そんな古泉を少し困らせてやりたい。そう思ったのが始まりだったのかもしれない。
苦笑を洩らしながら後始末をしようとする古泉の腕を掴んでそれを阻止する。
驚いた古泉は持っていたミネラルウォーターをベッドに溢していた。
「…まだ、時間あるだろ?」
2人でいるときぐらいハルヒの事など忘れればいいのに。
ずっとこの時間が続けばいいのだ。何度そんな出来もしないことを考えたか分からない。
それでも、少しでも古泉を独占できるというのなら、俺は喜んでこの身体を差し出そう。
「もしかして、誘ってますか?」
「もしかしても糞もないだろ。事実誘っているんだが?」
両手を広げて古泉に身を任せる。
今だけは確かに俺だけを考えてくれていると信じて。
あと数時間は姫始めといこうじゃないか。
こうやって少しの幸せを噛み締めても、罰は当たらないだろう?
安心しろ。初詣にはきちんと行くさ。
神に願うことは決まっている。
今年も一緒にいられますよう。そしてどうか、変わらぬ愛でありますように…。
END
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実は古泉が大好きで新年早々ハルヒに嫉妬するキョンの話でした(笑)ホントもうどんだけ古泉が好きなんだとツッコミをいれたくなりますねコレ。
実は続きがあるっちゃありますが…期待しないで待っていた下さい(おいっ)ちなみにエロです(爆)
お粗末さまでした。
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