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適当に部屋の掃除を済ませてから、僕はベッドの隅に座り彼を待った。
日も落ちて、部屋の中がすっかり薄暗くなってしまったが、電気を点ける気にはならない。
彼が何のためにここに来るのかなんてまだ全く分からないのに、頭の中には後ろ向きな思考しか浮かんでこなかった。
このまま時間が過ぎてしまえばいいのに。また日が昇って、昨日と同じ生活が始まればいい。
なんて思っていても、現実はそうはいかない。無情にも玄関からは来客を知らせるチャイムの音が鳴り響く。
ゆっくりと立ち上がって、玄関へ向かった。誰が来たかなんて確認しなくても分かる。
扉を開いたら、そこには制服のままの彼が立っていた。僕の姿を見ると、片手を軽く上げる。
「どうぞ」
部屋の中に促して、扉を閉める。
彼は遠慮なく靴を脱いで上がると、ベッドに寄りかかって座った。それを確認してから、冷蔵庫から適当にペットボトルを取り出して持っていく。
「どっちがいいですか?」
銘柄の違う飲み物を二種類彼に見せて、どちらがいいか選んでもらう。指差した方を手渡してから、僕も彼の隣に座った。ペットボトルのキャップを開きながら、彼が口を開く。
「後でもう一人来るから」
「……は?」
思わず聞き返してしまった。
そんな話、僕は聞いていない。
「たぶん、お前の知らない奴なんだけど……あ、いや別にお前の家を教えたわけじゃないぞ、ここら辺に住んでるみたいで最初から知って……」
「さっきの彼女ですか」
強い口調でそう問い質すと、驚いたように僕を見た。
「見てたのか?」
「はい。後姿をちらりと、ですけど」
「だったら……っ、うわっ!」
彼がまた口を開いた瞬間、僕は隣から彼に飛びついて押し倒した。
これ以上彼の口から、僕以外の人間の話なんて聞きたくない。
「何すんだよ!いってえな!」
頭を打ってしまったらしい。片手で後頭部を押さえながら、上半身を少し持ち上げる。
「……僕の、どこに不満があるんですか?」
「はぁ?」
「もっと、強引に事を進めたほうがよかったのですか?」
「何言って」
ネクタイを引き抜いて、白いシャツのボタンに手をかける。
それを一つ一つ、丁寧に外していった。
「古泉……やめろ」
そう口にしながら、ボタンを外す腕を握られる。特に力は込められておらず、その手自体には僕の行動を制止させようとする力は感じられない。
ただ、下からじっと見上げられた。
「お断りします」
露出した鎖骨に唇を触れさせる。少し汗ばんだ肌を舐めてみるたら、微かにしょっぱい味がした。
ぴくりと彼の肌が反応をする。
「や、やめろっ……って」
緩く髪の毛を掴まれた。口では嫌がってはいるものの、強く止めようとする意思は感じられない。
彼だって、こんな展開を待ち望んでいたに違いない。
「嫌です。やめません」
骨の出ている箇所に軽く歯を立ててから、唾液を刷り込むように何度も肌を舐め上げる。びくびくと彼の身体が震えるのを舌先に感じた。
さらに衣服を脱がそうと、スラックスにも手を伸ばす。
「待て、待て待てまて……!」
必死に止めようとする彼を無視して、手早くベルトを解きズボンの中に手を差し込んだ。
中は蒸れていて、熱い。外から入ってきたばかりなのだから、当然だろう。
萎えている彼のペニスを、下着の中で握りこんだ。
「ぅ、くっ……こ、のっ……!」
目を細めて、僕を睨む。顔を赤くしながら。
僕はにっこりと笑って返した。さらに彼の目つきが鋭くなる。怒った顔も愛しくてたまらなくて、赤くなった頬を手のひらで包んだ。
その時、玄関から来客を知らせるチャイムが鳴り響く。






あきゅろす。
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