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すぐに指を引き抜いて、彼の腰のあたりとぽんぽんと軽く叩いた。
「ちょっと腰を上げてください」
彼は抵抗することなく、僕の言うとおりに膝立ちになり、僕の方へと尻を向ける。
濡れたままの体温計を取り出す。これはそんなに太くもないし、既に濡れているから、このまま入れてしまっても構わないだろう。
そう思って、僕は彼の尻を割ると、その奥にある穴にためらうことなく体温計を突き入れた。
「あっ、ひぁッ……!!」
「これが欲しかったんでしょう?」
熱に浮かされた叫び声を聞きながら、彼のアナルに視線を移す。
細い体温計を飲み込みながら、皺を寄せてきゅうっと締め付けているのが丸見えだ。
「あ、あっはぁっ……!」
こんなところにこんなものを入れられて、感じるものなのか?
尻だけ僕に突き出して、前かがみになる彼の姿を見ながら考える。
カメラにはちゃんと映っているだろうか。
前のお漏らしは、衣服を着たままだったのもあって、何をしているのか分かりづらかった。今回はさすがに何をしているのか分からない、なんてことは無いだろう。
「…………」
次は、何をすればいいのか。
残念ながら、僕は男性とのそういった経験は無い。後ろで感じることが出来る、という知識まではあるのだが。
ふと、挿入された体温計の下……ぷらぷらと揺れる彼の股間の方へと視線を移す。
彼のペニスは見て分かる程脈打ち、血管を浮き上がらせて膨張していた。これは後ろに異物を入れられる前から、スラックスを脱がした時点からこうだった。たぶん、あの薬品にこういった効果が含まれていたんだろう。
「……まぁ、失敗ではありませんし、良しとしましょうか」
変な付属効果はついているものの、人体に対する悪影響も今のところ無い。この状態はあえて含まないものとして、だ。
順序から考えれば、次に僕が何をするべきかは分かる。彼のペニスを扱いてやればいいんだろう?
だけど、今日はゴム手袋など持っていないし、直接男性の性器なんざあまり触りたいものではない。しかも、彼のペニスは早くも先端から我慢汁を滴らせながら、ひくひくと小刻みに痙攣している。尿道から流れ出た体液なんて、たとえ上からの命令だとしても触れたくない。
「それ、触って欲しいですか?」
それ、が何を指しているのか。あえて口に出さなくても伝わるだろう。たぶん今、彼の頭の中にはそればかりが埋め尽くされているだろうから。
尻の向こうに見える頭が、こくこくと縦に振られる。
「でも、僕は他人のなんて触りたくないんですよね。ご自分でどうにかなさってください」
触って欲しいかと聞いておきながら、直ぐに拒絶する。
どうするのかと見ていたら、なんと彼は躊躇う事無く自分で自分のペニスを握って、扱き出した。
「ふ、あッ、んッ……くぅあ!」
彼の手のひらが上下して、茎を擦り上げるたびに僕の目の前で、細長い体温計が揺れる。ふらふらと規則正しく揺れているから、抜け落ちてしまうんじゃないかと思ったのだが、肛門でしっかりと締め付けられているようでずり落ちる気配は無い。こんなところにも力が入るものなのかと、少し関心してしまう。
「気持ちいいんですか?お尻の穴からこんなもの出して、興奮しちゃって」
「う?ひ、ぃッ、ひああッ!」
飛び出した体温計の端を指先でつつく。上下に揺らしてみたり、円を描くように押し込んでみたり……。
「ひ、あッ!き、もちいッ……それ、ひ、もちいぃッ……!」
ぐちゅぐちゅと嫌な音を出しているモノへと視線を向けてみると、勃起しているペニスは皮がめくれて亀頭が丸出しになっており、堪え性の無い透明な汁に濡れて、つやを帯びて見えた。
ぎゅうぅっと、尻から出ているものを、根元まで押し込む。普段排泄にしか使われないだろう場所が、面白いほど異物を飲み込んでいく。
「ああ、あッ、ひぃあ、あああッ!」
いつ息継ぎをしているのかも分からないほど、喘ぎ続ける。呼吸ができているからこそ、声が出るんだとわかってはいるが。
もしかして、彼は僕の存在を忘れてしまっているんじゃないか。それに僕はいつまでこんな茶番を見ていなければいけない?
男の自慰行為なんて眺めていても仕方ないし、別に彼のアナルを苛めても楽しくも無い。目の前で一人で盛り上がられても困る。
もうある程度の質問には答えてもらって、薬品の効果も確かめられた。この映像の録画は自動で行われているし、僕がいつまでもここにいる理由ももう無い。退散してしまってもいいだろう。後は自分で好きにするといい。
一応体温を測定したかったのだが、彼自身こんな調子ではどうしようも無い。
とりあえず、体温計だけは返してもらおうと、肛門に食い込んだまま締め付けられているそれを一気に引っこ抜く。少し抵抗する力はあったものの、意外とすんなりと抜けた。直腸の内部を擦りながら。
「ひあ、うあ"あ、あああ"ッ!!」
それと同時に、一層高くて大きい声を上げて、彼のペニスから大量の精液が放出さる。勢い良く放たれた精液は、派手に床に飛び散った。
そして、一回絶頂を迎えて力が抜けててしまったらしく、彼がそのままぐったりと床に身体をつける。その、精子まみれの床に。
「…………」
僕は引き抜いた体温計を見つめた。
先ほどまで唾液で濡れていただろう体温計。今ももちろん透明な液体に塗れて、光を反射して光っている。小さなディスプレイには、いつの間にか数字が表示されていた。あきらかに発熱している温度だ。
もともと体温を測定しようとして、スイッチを入れていたため勝手に測定が終了してしまったんだろう。どこの温度かなんて、考えたくも無い。
しかし、こんなもので射精してしまうなんて。彼が後ろで感じやすいのか、それとも……。
まぁ、どちらにせよこういった薬は女性に使用したら面白そうだ。機会があったら、試してみるのもいいかもしれない。
横たわる彼を見てみる。気絶してしまったのか、床にうつぶせになったまま動かない。
次に、壁にある監視カメラに視線を移す。ちゃんと録画できているだろうか。
正気に戻った後、彼と一緒にその映像でも見てみようか。どんな反応をしてくれるのか、楽しみだ。








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