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「ああ、くそっ!さっさと離れろ!」
身体を捻って、なんとか僕の下から逃れようとうする。だけど僕は、両腕の檻で彼を捕らえて離さない。
「どうせなら見せ付けてあげたいですね、彼女に。あなたは僕のものだと」
「は、ふざけんなっ……ひゃっ!」
片手で握り締めた敏感な箇所を少し乱暴に扱ってみれば、微かに身体を撓らせた。そして段々と下半身に血液が溜まってきているのか、僕の手の中のものも少しずつ硬度を増してくる。
ペニスを握りなおすと、何やら湿ったものが指先に触れて、熱い下着の中が一層熱気で溢れた。
また、玄関からチャイムが鳴る。さっさと帰ってしまえばいいのに、しつこい客だ。
「で、出ろ、よ……!」
僕にこんなことをされながらも、彼はあの扉を開けるよう促してくる。
そんなに、彼女が大切なのか。僕と彼女を鉢合わせさせたいのか。
僕は、あんな女と話したくも無いのに。
「ぐ、……あっ!」
指でわっかを作るようにして、雁首の部分をぎゅっと握りこんだ。彼のペニスの先端から何かが滲み出て、下着に染み込む。
「あぁっ……くそ、このやろっ……!」
首を仰け反らせながらも、必死に僕を睨んでくる。
しかし、その鋭い目線すら、僕には誘っているようにしか見えない。
また玄関から呼び出し音が鳴った。三回目だ。
「まだ、帰って無いんですね。しつこい方だ」
「おまっ……そんなこと、言うな!」
この期に及んでまだ彼女を庇うのか。
彼に対する苛立ちと、あの女に対する憎しみ、嫉妬。悲しみ。色々な感情が混ざり合って通り過ぎ、気持ち悪さと蟠りを残して消えていく。
「う、ぁっ、あ!あっ!ぐっ!」
握った彼のペニスを、衣服の下で激しく扱いた。彼の顔が歪む。その表情が表しているのが、苦痛なのか快感なのか分からない。
蒸れた狭い空間に、小さいとは言えない手のひらを無理に入り込ませて、力ずくで動かしているんだ。衣服と僕の手に圧迫され、彼のペニスは半ばすり潰されているようなものだろう。
「ああ……ひ、ぁっ……!」
しかしそんな状態でも、確実に快感を拾い集めているらしい。
僕を鋭く睨んでいた視線が、いつの間にか虚ろに天井を眺めている。狭苦しい彼の下着の中にさらに熱気がこもり、布が吸収しきれなかった体液が垂れてきて、僕の手に絡みついた。
四度目のチャイムが鳴る。もうそれは彼の耳には届いていないのか、今回は特に反応が無い。早く諦めて帰ってしまえ。
「は、離せ!そろそろ、やばっ……いっ!」
必死に僕の腕を掴んで、スラックスの中から抜き取ろうとする。でもその快感に緩んだ身体では、力で僕に敵うはずも無い。
「うっ、くうぅっ……!」
ぎゅう、と僕の腕を握り締めたまま、彼は欲望を吐き出した。行き場の無い精液は、狭苦しい下着の中にべっとりと広がる。
「ぁ、はぁ……気持ち、悪い……」
「そうでしょうね。脱がして差し上げましょうか?」
射精直後の倦怠感に身体を脱力させて、ぼんやりとどこかを見つめる瞳を覗き込む。
と、そこでまた呼び出し音が鳴った。これで五度目だ。どれだけしつこいんだ、彼女は。
僕の真下で横たわる彼が、玄関の方へと視線を向けた。1LDKの僕の部屋からは、玄関の扉がすぐに見える。






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