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15.【釣り師たるもの】


釣り師たるもの何時如何なる時も釣りのことを考えているものだ
釣り師を叩けば埃はいくらでも出てくるだろうが、私から出てくるものは言い訳ばかりである

いつだってそうだ、釣りに出かける時には『年に1度あるかないかのチャンスだ』と家を飛び出し、
『これで年内最後』だと強行した遠征は数知れず、
妻に月のガソリン代のことで攻められた時には『しょうがなかった』と煙に巻き、はたまた高速代を攻められれば『割引があるから使わなきゃ損』だとのたまった。

ある正月の三が日は洞爺湖で過ごした。大晦日の夜、周囲の白い目に対し『身を清める』のだと言い残し深夜の闇に消えていった。後にこれは『洞爺詣で』と呼ばれている

急に入った休日を誰にも言わず、仕事に行くふりをして釣りに行ったこともあった。あの時はスーツ姿で家を出たまでは良かったが、ジャージ姿で帰宅した私の姿を不信に思った妻に対して最後までダンマリを決めこんだ。こっそり玄関のドアを開けたその目の前に妻が立っていた時には本当に背筋が凍った

そういえば長女が生まれた2日後には山上で虹鱒を釣っていたのは記憶に新しい。妻が知ったら怒るだろうなぁ

言い訳で済むこともあれば隠し通さねばならぬこともある
妻は釣りに興味が無い
無論このブログを読むこともないだろう
だがそれでもこれ以上の事はここに書く勇気がない
すでに信号は青の点滅から黄色に変わっている

どうかこれからも釣りが出来ますように…


river side

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