『それは、』
知らず知らずのうちに、涙が溢れていくのが分かった。
意思に背くそれたちを、拭うことも忘れて 隣に眠る彼に手を伸ばして、広い背中に顔を当てた。
仕切りに名前が呼ばれて、向き直る。
小さい身体が冷たく震えて、思わず無言で抱き上げた。
ずっとずっと一緒に歩んできて、珍しいことではなくなった。
『どうしたの』はいらなくて、根拠のない『大丈夫』もいらない。
ゆっくりと、これからのことを話していく。
これから一緒に起きよう。朝ご飯を食べて、買い物に行こう。土手を散歩して、公園にバスケしに行こう。泣かなくていいから。
そうして包んでいつもの笑顔をまた見る。
「どうしよ」
「…どうしたの?」
「また泣いてたね」
「、ん?」
大きな手が、空の前髪をかきあげて見つめてやる。静かに笑いかけるとやっぱりいつもの笑顔が返ってきた。
「朝ご飯までいいけど、仕事でしょ」と笑われて、休めばいいよなんて 気楽なことをいってしまう。
携帯のアラームを止めて、カーテンを開けた。
繰り返される毎日が、当たり前に過ぎていった。過ぎすぎて怖くなって。そんな、少しの支えが必要になったときの話。
end
(茂吉くん送ってっよ!)
(ん〜どうしようかな)
(あ゙っひどい!意地悪!)
(いいたい痛いっ)
(行こ行こ!)
(…好きだよ空)
(っえ!?わ、何もう茂吉く…ははは)
なんだかエンドレス
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