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♪レイン
(流川×花道)



雨が降る日だった。


しとしと、とでも言える
静かな雨が
『すみませんねぇ』なんて
謝るように。


少し空を眺めたあと
隣で眠る彼に目線を落とす。

起きてるときには
相当似合わない、
死人のように眠っている。

大分伸びてきた赤髪を
無意味に撫でてやって
頬にその手を移した。


寝顔を眺めるうちに
無防備にされた
広い背中が目に入って

少しだけ、自分の胸が
痛むのがわかる。
いつものことだ。


手術のあとが
きれいにしっかりと
そこに残されていた。

指でなぞってやる度に
これまでの想いが
苦しいほどに伝わってくる。

何度一緒に泣いた
いくつも障害にぶつかって
ここまでくるのに
どれだけの時間が
自分たちを振り回したか。


名前を呼ぶ

返事はない




窓の向こうに降る雨は
きっと温かい。
こんな天気じゃ
バスケをネタに
起こせもしない。


うなじと頬にキスを
落としてすぐ
またゆっくりと眠りについた。




次に目覚めたのは桜木で
寝ぼけながらも
いつものように
キッチンへと向かうのだった。



えんど







あきゅろす。
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