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女子は苦手だと言いながら、なんだかんだで告白を断られたりしてへこむ彼。

これが珍しく3人目だなんて 知らなくてもよかった話で。






休み時間。
鷹山の前の席を乗っ取ってすわり、だらりと机にうなだれてくる。そんな彼を、頬杖をついて眺めていた。

たいした話ではなかった。
あぁだこうだと、時々そのオレンジの頭をかきながら、「だるい」を何度も繰り返す。

実際にそんな話は、鷹山の耳を通過点にして流れていくだけで、鷹山自身にもあまり届いてはいなかった。


そうしているうちに予鈴が鳴る。
渋々 豹は起き上がって、鷹山と向かい合う。
「すっきりした?」
頬杖をやめて言い、ゆっくり彼を見る。
「んー…まあ」
不機嫌そう、かつ眠そうに返事された。
ハァ、と一つ溜息をつくと、名前を呼ばれた。俯いていた鷹山の顔が少しだけ上げられる。

「、何?」
「次ってなんだっけ」
「現文。めんどくさいね」

机の中から教科書を探していると、また名前を呼ぶ声。

「…話足らない?」
「あー俺もう鷹山でいっかなあ、なんて」
「………」
女子は疲れるべや、と吐きながら席を立つ彼。

「あは。そんな趣味ねーよってね」
笑いながら 教室の後ろのロッカーに歩いていく豹を、鷹山は何も言わずに目で追った。

彼は自分の席に戻ると、隣の席の友達と話し始めている。



鷹山の頭の中では、ひたすらに豹の言葉たちが繰り返し流れる。

「…まさか ね」

ポツリと出た言葉をよそに、同じ一言を漏らしていた豹の姿があった。












あきゅろす。
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