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気まぐれラプソディー





「なっつみくーん!」



何度も言うようだが俺の名前は夏生だ

なっつみじゃない。




そんなある日の事




今日は佐々木がいつもより五月蝿かった
やたらと手を差し出したり伺うように見てきたり…ったく今日は何か特別な日なのか?



少し考えても思いつかない。するとそこに
いきなりクラスの美濃さん(♀)に話し掛けられた



「鰆くん…よかったこれどうぞ!」


はい、と何か箱を手渡される。
なんなんだ、と問う間もなく美濃さんは走って去って行った


中が気になったので
ガサガサと包装紙を開けてみる。すると中にはチョコレート



「あ。」


と、思い出す



「今日はバレンタインデーか…」



毎年どうでもいい行事だから貰うまで忘れてんだよな


そして考える


今日がバレンタインデーだとすると佐々木のそわそわした態度もチラチラとこちらを伺う視線にも説明がつく


俺からのチョコでも期待してんのか


「……ったく……馬鹿じゃねえの」


呆れたように、ボソリと呟く

そして目の前の貰ったチョコレートを見つめる




と、そこに絶妙なタイミングで佐々木が来た



「夏生くー……ってそれチョコ…貰ったの?」

少し目を丸くした佐々木


失礼だな。俺ってわりとモテる方なんだけど



「………佐々木」


佐々木を呼びつけで振り向いた瞬間
俺は佐々木の口に貰ったチョコを放り込んだ



「…え??」


混乱している佐々木


「俺、美濃さんには悪ィけど甘いの苦手なんだよな…だからやるよ」


そう、これは単なる気まぐれ。確かに美濃さんには悪いけど…
本当に甘いの苦手だし



すると、佐々木はにっこり笑って


「わー夏生くんからチョコ貰っちゃった!」


なんて語尾にハートマークをつけながら言うから



また更に呆れつつも、
俺はこんなバレンタインデーだったらそこまで悪くもないと思ったのは絶対佐々木には秘密


あいつ調子のるから






END

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あきゅろす。
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