道,純


あなたは俺を不思議な人だと称すけれど、あなたの方が不思議っすよ。というか希少だと思うんす。



「センパイって稀っすよね」
「どういう意味ですか」
「センパイは絶滅危惧種ってことっす」

はあ?という感情がセンパイの顔にありありと出ている。
ああ、こういう発言が俺を不思議ちゃんに見せてしまうんすかね。

「道明寺さんって時々不思議ですね」
「やだなあ、ただ単に誉めてんすよ?」
「誉められてたんですか、僕」

だってね、センパイほど真っ直ぐで正義感があって律儀で真面目でちょっと自己犠牲な節はあるけど優しくて笑顔が素敵で仕草が可愛いくて。ちなみに最後の方は俺の贔屓目。
そんな人は世界中探しまわっても居ないと思うんすよ。
過大評価してるつもりは微塵もないっす、過小評価もしてませんけど。

だから、そんなあなたが死んでしまったら、俺も死にます。

「………」

なあんてことは言えない。

俺はロマンチストでも月9俳優でもそもそも人間でもないんで、言えはしないんすけど、まあ、そう成れたらなあとは思うんすよ。

「うんと長生きして下さいね」
「はあ‥まあ、頑張ります」


できたら俺が絶命できるその時まで。




センパイは絶滅危惧種。だからあなたが死んでしまったら俺も絶命します。

なんて、言えない。
(言えたらいいのに。)







あきゅろす。
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