水→純
好きだと思ってしまった。
愛しいと、想ってしまった。
それは反道徳的で誰も幸せに成れないし報われない、辛い思いしかしないと分かっている。
物分かりは良い方だと自負していたのに。
血の繋がりがなくても俺たちは兄弟だと自ら言っておいてこの様は何だ、何が兄弟だ何が家族だ、俺はそんなもの簡単に崩落させてしまえる。
そんなものが一番大きな障害になるなんて、あんなに大切だった繋がりをこれほど疎ましく思う日が来るとは想定外だった、我ながら呆れる。
「はは、滑稽だな」
渇いた笑いの先に。
俺は純也を愛してしまった。
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