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ビュクセが協会側の人間…なパラレルです


――――――――――

『アレクを殺せ』

ベルフレイドからの命令で、エクスペル団に潜入し仲間のフリをしてアレクに近付いた。

「……」
「ビュクセ、どうしたんだ?」

日々の息抜きと言う名目でアレクと2人でアーリア城の近くの花畑に来ていた。
花畑に座った俺の胸に背中を預けながら寛ぐアレクの体の前に腕を回し、花を結っていたが、あの言葉を思い出して動きを止めてしまっていたらしい。

不思議そうに見上げて来るアレクに緩く首を振る事で『なんでもない』と伝える。

再び花結いを再開した両手を楽しげに見つめるアレク。

「すげーな、器用だよなぁ」

程なくして完成した花の冠を頭に乗せてやる。

「俺はこーゆーの似合わねーよ…」

頬を染めながらポツリと呟いたアレクの腰を片手で抱き寄せながら…もう片方の手で銃に手を掛ける…。

「ビュクセ君、それはいけないな」

「!!」
「うわ!?ツァウベルン!?」

いつの間にか俺の背後に立っていたツァウベルンにアレクが振り向いたので、銃から手を離した。

「アレク君、そろそろ息抜きの時間は終わりだと君の幼馴染み達が探していた」
「もうそんな時間なのか?じゃあビュクセ、俺行くな?」

返事をする代わりに頷いて、慌てて城の方へ走って行くアレクを見送る。

「恋人の君が敵だなどと彼には言えないからね、君を監視させてもらうよ」

アレクが見えなくなってから言って来るツァウベルンを睨み付ける。

「では、失礼するよ」

余裕のある笑みを浮かべて城へと消えて行く背中を見ながら胸を撫で下ろす。

今日もアレクを殺さずに済んだ事にホッとした。

明日も、明後日も、ずっと…俺がアレクを殺す事は叶わないだろう。

それでいい。

俺はそれを望んでいる。

もしもアレクをこの手にかける時が来たら、その時は…



俺も共に……





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