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ディル主前提


永遠に届かない



「ディルク…」
「………」

兄貴の名前を呼びながら
俺に抱き付いているアレクは、俺の中に…死んでしまった兄貴を感じている

兄貴がしていたように
優しく抱き締めて
優しく頭を撫でて
少しの間だけでもアレクが幸せを感じられるように…

「……ごめん、な…」
「…泣くなよ…」
「な、泣いてねーよ」

落ち着いた後、アレクが流す涙はで兄貴への物じゃなく

…俺への懺悔だ

俺が変わりになりたかったんだから…
俺が望んだ事なんだから…

アレクが気に病む事なんか何も無いのに

「アレク、今日はもう寝なよ」
「ああ、そうする…ありがとな…おやすみリウ」
「おやすみ〜」

自分の部屋に戻って行くアレクににっこり笑いながら、ヒラヒラと手を振る

「…兄貴は、ズルイよ…」


一番卑怯な方法で、アレクの心を手に入れた







あきゅろす。
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