素直じゃない
「お…お前……お前の事が…」
「うん…?」
「す……す……っ!お前の事なんか好きじゃ無いからなっ!」
ロベルトに空き部屋に呼び出されたのはつい数分前の事
素直に従って着いて来たらいきなり好きじゃない宣言をされて、バタバタどたーん!と凄い音を立てながら(多分階段から落ちたんだ)部屋から走り出して行ってしまった。
「な…なんなんだよ…」
流石の俺もムッとしながら空き部屋を出た時にボスッと何か柔らかい物にぶつかる
「ああ、閣下…申し訳ありません」
「あ、よう!グントラム!何してんだ?」
「姫様に用が…閣下は空き部屋で何を?」
「あっ!そうなんだよ!聞いてくれよ!」
さっきあった事を話すと、グントラムは「なるほど…」と、少し考える用にしてからこう言った
「では、こうしては如何でしょうか?ちょっと失礼しますね…」
・・・・・・・・
「あ、ロベルト」
「あ……な、何だ、お前か……!お前!腕どうしたんだ!?」
「ん?ああ…さっき階段で転んで…」
えれべーたーで一階に降りるとすぐ近くにロベルトがいて、俺の腕に巻かれた包帯を見た途端物凄い勢いで迫って来た
その時俺はグントラムに言われた事を思い出してた
・・・・・・・・
「これをこうして…」
「包帯なんか巻いてどうすんだ?」
「そのままにしていて下さい。それからロベルト殿に言われた事は全て逆だと思って下さい。」
「へ?」
「それが本音なんですよ、それから他の誰かの事を引き合いに出して来たら、それはロベルト殿本人の事ですよ」
「そう…なのか?」
「ええ、では仕事がありますので失礼します」
「あぁ!サンキューな!」
「あ…その後の閣下のお言葉によっては本音を言うかもしれませんね」
「はぁ…?」
・・・・・・・
って事で…今のロベルトの言葉を訳すと…
『お前が心配なんだ、お前がケガをしたら俺が心配でたまらなくなる。お前が怪我をしたり居なくなったりする度に心配で探しに行くんだ、お前は俺のすぐ目の届く所にずっと居ろよ』
………いやいや、そんなバカな…ロベルトに限って…
赤くなる顔をフルフルと振って今考えた事を否定する
でも待てよ、全部逆だとしたら…
…俺はお前の事なんか好きじゃ無いからな!…
『俺はお前の事が好きだからな!』
……まさかそんな…でも…
「ロベルト…」
「な、何だよ…?」
「なっ…!!」
途端、ロベルトが耳まで真っ赤になる
「お…俺も…お前の事が好きだ…」
今まで見た事の無いような真剣な顔でまっすぐ目を見つめて言うから…
ああ、これは本音だって分かってしまった
まぁ…場所が場所だっただけに、モアナによってその日の内に俺達の仲は知れ渡り、『ロベルトからかい隊!』が結成されたとかされないとか
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