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(吐息が聞こえる)

HMSに関わったことがあるものなら必ず耳にしたことある噂。

数百年前に短い期間だが存在していた5つ目の寮

名前は残っていないが、その寮の特色は語り継がれている

(一定のリズムを保った吐息が聞こえる)

魔法が使えない、魔法使いの家系に生まれた者達が所属する寮。
それは、いつかは魔法が使えるなるようにと願いを込めて、あるいは金を巻き上げるために作られた寮であった。

(徐々に近づいてくるような気がする)

入った人数はたったの18人。待っていたのは

(……)

壮絶な差別。いじめ。助けてくれる人は誰もいなかった。そんな状況で、過ごせるはずがない。
みんな辞めて行った。そんな中

(足音が聞こえた)

一人の女の子のみが最後まで耐え忍んだ。

(逃げても逃げても追いかけてくる)

だが、卒業日の日に壊れてしまった。式典中、その女の子はいじめの主犯格の子の首を噛み切り、持ち込んだナイフで滅多刺しにした。

(もう逃げ場はない)

その時の女の子の様子、それはまさしく悪魔のようであった。

(隠れるしかない)

女の子は逃げた。ハー、ハーと息を荒らしながら。屋上に逃げて、そしてある言葉を残した。

(来るな、来るな、来るな)

私を忘れることは許さん。私の吐息が聞こえた時、その者に取り憑いて血を見せてやる。

(あ……)

そうして、彼女は身を投げた。

(…)

その後、彼女は悪霊となり、生きているものを闇に引き摺り込む存在になった

(あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!)




あきゅろす。
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