one
ちょっと長めな文のお題置き場
ボクは君にサヨナラと言って引き金を引く
音をもう一度繋ぎ合わせて空の彼方へと放つ
ほら、研ぎ澄まされた音色が私たちの耳を引き裂いてゆく
ほら、差し伸べられた白の腕が君の足を掴んで離さない
つまりあたしがここにいる事自体から間違ってた
淀んだ沼の底に落ちた財宝という名の「恐怖」を拾っておいで
取り残された虚無に足跡を残して君といた記憶に戻ろうか
とことん信じきって突き落とされたとしてもまた現実
蹴られて落ちてしまうなら初めから夢など見たくなかった
泣き声のする方へ脚を這わせて、涙の絶対値まであと少し
聴こえたそれが君の足音だと祈りながらボクは今日も耳を澄ます
空に落ちた光を集めて忘却の彼方に置き忘れたふりをした
永遠に夢の中でさ迷い続けてそのまま闇へと脚を踏み外す
耳の奥で反響する音が痛い 痛い
開け放たれた窓から見える暗鬱な曇天と爽快な快晴
悲しいけど悲しくないのは、君がなんにも言わなかったから
ゴールまで走りぬくよ、頑張るよ、だからお願い拒絶はしないで
その日は雨が降った。きっと誰かが泣いてた
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