―心を繋ぐのは― 「銀朱」 「なんですか?」 「これ、あげるよ」 そういってポイっと投げられたその小さめな紙袋の中には、何やら包装済みのプレゼントらしきもの。 「これ、なんですか?」 「開けてごらんよ」 そう言われて包装紙の上から巻かれているリボンを解く。ガサガサと音をたて、薄ピンクの包装紙を開いた。 「これって……」 「マフラーだけど?」 開けた神の中にくるまっていたのは、ボーダー柄の毛糸のマフラー。 「わぁ…一体どういう風の吹き回しですか?」 私がそう言うと、彼は不服そうに、たまたま百貨店でみつけたから、と言った。 「二月も寒いからね。なんで君がマフラーも手袋もしないのか、俺にはちっとも理解出来ないね。君をみてるだけで寒くなる」 そう言われたけれど、貴方だって薄いコートを羽織ってるだけじゃないですか。 その言葉をぐっと堪えて、そのマフラーをじっと見る。 「ありがとうございます」 なんだかんだ言ったって、嬉しいものは嬉しいのだ。 「巻いてみたら?」 「そうですね」 マフラーなんてあまりまかない。というか、まともなものを持っていないから。 でも、そんな私でも気付く不快な点が一つ。 「ねぇ、梵天。このマフラー、少し長過ぎはしませんか」 そうだ。巻いてみたはいいものの、それは異常に長い。これが最近の流行なんですかねと考えるも、外でマフラーの裾をすって歩いている人などみたことがない。 「当たり前だよ、それ二人用だから」 …私、二人用のマフラーなんて聞いたことがないんですが。 「こうするんだよ」 私の足もとまで垂れているマフラーを引っ張って、自分の首に巻いていく梵天。確かに、長さはピッタリですけど。 「どう?」 「どう…って貴方、これじゃあ殆ど身動きがとれないじゃないですかっ…!」 長さがピッタリすぎて、私と梵天の距離は30cmぐらいしかなくて、くっついて歩いていないと首が締まりそうなくらい。 「そうだよ。いいじゃないか、俺と離れられなくって」 「な…!!こ、こんなものを巻いて外を歩けやしませんよっ…!?」 いくら恋人とはいえ、二人とも男。男二人、一つのマフラーを一緒にまいて外を歩いて…そんなの完全に危ない人でしょう! 「他人なんて関係ないだろう?」 「そ、そうですけど…」 「そんなに周囲の目が気になるんなら、君に目隠しでもして出かけようか?」 「そ、そっちの方がいやです!!」 (別に、周りの人が気になる訳じゃないんです。ですけど、) ■□■□■□■□■□■■□ マフラーでうだうだと書きなぐりました(^^ 見返したらおかしい箇所がいっぱい出てきそうで怖いです(・ω・) [グループ][ナビ] [HPリング] [管理] |